松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍首相の“言葉遊び”を超えた詐欺師の手法はいずれバレる

      


「安倍晋三首相の政治手法は、ますます、その場限りを切り抜けようという刹那主義に陥っている」と、ベテラン野党議員が批判する。「言葉の言い換え、すり替え、言い逃れ、ごまかしばかりで、まともな議論はゼロ。国民もいい加減、その本質を見抜いているのではないか」と。


 北方領土では、本当は「2島ポッキリ」で、国後・択捉は結構ですという路線なのに、それを「2島プラスアルファ」と言いくるめて、まだ先に何かありそうな幻想を抱かせる。改憲では、正面切った論戦を避け、「9条1、2項はそのままで、3項を付け加えるだけだから、これなら護憲派の皆さんも反対できないでしょ」という超フォークボールで野党の空振り三振を狙う。


「これから焦点になるTAGも同じ」と同議員が指摘する。


「そもそも英語の原文では『物品並びにサービスを含むその他の重要分野についての通商協定』となっているものを、その頭の部分だけ切り離して『TAG』という略語を捏造し、それを国内向けには『物品貿易協定』と翻訳し、だから日米の包括的なFTAではないのでご安心をと説明している。こうなるともう“言葉遊び”の度が過ぎて、口から出任せの詐欺師の手法だろう」と怒っているのだ。


 しかも、この安倍の詐欺師ぶりは間もなく明るみに出そうである。マスコミではほとんど注目されていないが、米政府はすでに、日本が言うところのTAG交渉で来年早々から徹底的に日本を攻め立てる材料集めを始めており、12月6日に連邦政府の国際貿易委員会(ITC)が開いた公聴会では、全米自動車労組(UAW)代表が、「トランプ大統領が提起している車の輸入関税以前に、日本政府が輸出に有利なように円安誘導をしていることが問題で、それに対する強制力のある措置が必要だ」と主張した。


 さあこれは大変で、TAGが単なる「物品貿易協定」でないことがたちまち明らかになる。それだけでなく、政府・官邸主導の円安・株高誘導作戦と日銀による国債市場制圧とによって、為替・株式・債券の3大市場を国家管理下に置いて景気がいいかのように見せかけていた、アベノミクスという安倍政権最大の詐欺話の嘘がバレることにつながっていく。


「嘘も方便」と言うが、それには当然、笑い話で済む限度があり、安倍はその限度をとっくに超えている。


高野孟ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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