松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍外交の大失態 プーチンにコケにされ軍事演習抗議なし

 


 国内の災害対応も総裁選も放り出し、13日までロシア外遊中の安倍首相。その訪ロに合わせるように、ロシアは11日から極東でこれ見よがしに大規模軍事演習を開始した。“外交の安倍”は、完全にコケにされている。


 この軍事演習には30万人が参加し、軍用機1000機、軍用車両3万6000台を投入と、規模は冷戦後最大のもの。中国軍も初参加し、中ロが経済・軍事面での連携をアピールした。北方領土のすぐそばで軍事演習を行われても、安倍首相は抗議することさえできず、プーチン大統領に「演習を注視している」と伝えただけだという。


 ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」にも中国の習近平国家主席が初出席。中ロの連携を世界に誇示した。安倍首相の外遊も一応、東方経済フォーラムへの出席が理由だが、主役は中ロで、安倍首相の出番はきょうの演説ぐらい。肝心の北方領土問題でも、プーチンにいいようにやられている。これほど成果のない外遊も珍しい。災害対応の最中に、わざわざ行く必要があったのか疑問だ。


 訪ロ初日の10日、プーチンと22回目の日ロ首脳会談に臨んだ安倍首相。NHKは夜9時台のニュース番組を中断して、首脳会談後の共同記者会見を中継したが、まったく中身がなかった。


 安倍首相が「北方4島の未来像を描く作業の道筋が見えてきた」と成果をアピールしても、プーチンは「領土問題は速やかには解決できない」とつれなかった。


 今回、ウニの養殖やイチゴの栽培など、北方領土での共同経済活動で対象となる5項目を「具体化するためのロードマップ(行程表)で合意した」と安倍首相は胸を張っていたが、行程表の内容は公表されないという。共同経済活動を行うためには、両国の主権をどう扱うかといった法的な環境整備が必要だが、ロシアの反発で合意できそうにないからだ。


■「これほどのロシア従属は戦後初」


 2016年に安倍首相が提案した経済協力プランは結局、何ひとつ進展してない。会談の回数をバカみたいに重ねるだけで、北方領土問題はむしろ後退し、プーチンに領土を取られてしまったも同然なのだ。北方4島ではロシアの実効支配が進み、共同経済活動に向けた日本の調査団は入島できないまま、ロシアの軍事拠点化しつつあるのが現状だ。


 3000億円の経済協力でも、もともと目玉案件とされていたのが、ロシア極東のハバロフスク空港の近代化だった。日本側は共同事業提案をしていたが、ロシア側は最終局面で拒否。中核事業の国内線新ターミナル建設はトルコの共同事業体が受注し、今年3月に着工した。日本不在で事業が進んでいる。


「ここまでコケにされたら、首脳会談でプーチン大統領に『いい加減にしろ』とはっきり言うべきでした。ところが、プーチン大統領が2時間以上も遅刻してきて待ちぼうけを食らっても、安倍首相は笑顔でスリ寄って、こびを売っているのだから情けない。ロシアにここまで従属する外交は戦後初めてです。米国のポチになるだけでなく、ロシアからもカモにされていることは、安倍外交の最大の失敗といっていい。13日まで東方経済フォーラムに出席といいますが、どうせ蚊帳の外で相手にされないのだから、さっさと帰国して災害対応に当たったらどうなのか。総裁選での論戦から逃げるためにロシアに行ったのでしょうが、御用メディアを使った“外交の安倍”の演出で日本国民の目をごまかすことはできても、国際社会はだませません」(元外交官の天木直人氏)


 こんな恥さらし外交があと3年も続いたら、百害あって一利なしだ。
(日刊ゲンダイ)
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