松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

隠蔽は底なし 南スーダンPKO日報めぐり空自に新疑惑

 目下、安倍政権の屋台骨を揺るがす「イラク日報」問題。「ない」と言っていた陸上自衛隊の日報が、計約1万4000ページも見つかったのに続き、航空自衛隊の日報まで存在が明らかになった。まだまだ陸海空の日報が防衛省内に眠っているのは間違いない。「南スーダンPKO」の日報をめぐっても新たな疑惑が浮上した。


 昨年2月23日の衆院予算委員会分科会で共産党の本村伸子衆院議員が南スーダンPKOをめぐって、ジュバに派遣された空自の輸送機の日報提出を当時の稲田朋美防衛相に要求している。


 これに対し、稲田氏は「(空自の)輸送機が南スーダンPKOのための輸送を行うに当たっては、陸上自衛隊の派遣施設隊の日報のような文書は作成していません」とハッキリ答弁。当時の辰己昌良統合幕僚監部総括官も「航空自衛隊の活動につきましては、陸上自衛隊のような日報を作成していません」と答えているのだ。


 空自はイラク日報を作成していたのに、南スーダンPKOの日報は作らないというのはおかしな話。6日の野党合同ヒアリングで、本村議員が「当時の(稲田大臣らの)答弁は本当に正しいのか」と聞いたが、防衛省の山野徹統合幕僚監部首席参事官は「資料がなく、答えることはできない」と蚊の鳴くような声を絞り出すのがやっとだった。


 イラク日報のみならず、南スーダンPKO日報もまだ表に出ていない資料が存在するのではないか。隠蔽は底なしだ。


 日報隠蔽を最初に問題にしたジャーナリストの布施祐仁氏はこう言う。


「量の差はあれど、陸海空を問わず、自衛隊が日々の記録を取るのは当然のことです。稲田氏の答弁は明らかに不自然。当時は黒江前事務次官ら幹部が中心となり、PKO日報を非公表とすることを決めた直後です。稲田氏の答弁は虚偽の疑いがあり、まだ別の日報が存在する可能性も考えられる」


■“被疑者”が調査メンバー入りの異常


 隠蔽体質が染みついているから、防衛省が4日に立ち上げた「調査チーム」も、そのメンバーはデタラメの極みだ。チームは、大野敬太郎政務官を中心に計4人で、3人は全て防衛省幹部という“身内”。しかも、小野寺大臣への報告が遅れた張本人とされる鈴木敦夫統合幕僚監部総括官がメンバーに含まれているのだ。


 ヒアリングで民進党の藤田幸久参院議員は「問題の“被疑者”が調査しているようなもの」と断じていた。大野政務官にしろ、2012年選挙で大量当選した「安倍チルドレン」のひとり。政権にダメージを与えるような調査はまずしない。“お手盛り”に終わるのは確実だ。


 安倍首相はきのう夜、「自衛隊の最高指揮官は自分だ。小野寺防衛相に真相解明や再発防止を指示する」と言っていたが、相変わらず口先のパフォーマンス。第三者に調査させなければムリだ。
(日刊ゲンダイ)
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