Matsuo Atsuokiのブログ

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水道民営化法案がまたしても強行成立! 池上彰、石原良純も水道を市場原理に委ねる危険性を指摘

        


“水道民営化法案”こと水道法改正案が、きょうの衆院本会議でとうとう可決、成立してしまった。自治体から民間企業への運営移行を促進する「コンセッション方式」の導入を軸にしたこの改正案は、水道を民営化した海外のケースのような料金高騰や水質悪化が懸念されていた。しかし、自民党らはそうした反対の声に耳を貸さず、強引に法案を成立させてしまったのだ。


 しかも政府は、海外において民営化で失敗し公営に戻した事例について、なんとたったの3例しか調べていないという。再公営化の事例は2000年から2014年にかけて35カ国で少なくとも180件あったとも報告されている(朝日新聞4日付)にもかかわらず、ほとんど検証もせず、あまりに短い審議時間で民営化をゴリ押ししたのだ。


 こんな問題法案の成立を許してしまった背景には、メディアの責任もあるだろう。実際、テレビではこの水道法改正案を積極的に取り上げなかった。そのかわりこの間、熱心に報じたのは、日産自動車のカルロス・ゴーン氏の逮捕案件だったり、貴乃花の離婚だったりといった具合だ。


 ウーマンラッシュアワーの村本大輔も、11月23日にTwitterで〈日産のニュースばかりが目について、水道の民営化のニュースはほぼやってない。国民が注目しない国会は、政治家からしたら最高だろうな。目をかいくぐり放題。やったぜ日産?いや政治家からしたら、やったぜ無関心な国民、やったぜ、水道民営化、やったぜ、儲けてるやつが儲けるシステム〉と投稿していたが、まさにその通りだろう。


 そんななか遅すぎるという気もするが、昨日、TBS系で放送された池上彰の特番『緊急!池上彰と考える ニュース総決算!2018ニッポンが“危ない”』では、めずらしく水道民営化法案についても掘り下げられており、出演者らが鋭いツッコミをしていた。


 番組ではまず、世界を見渡すと、日本の基準で水道水をそのまま飲める国は、わずか8カ国だけだとし、「民営化」によって日本の水道水が「飲めない水」になるかもしれないと伝えた。


 実際、水道運営事業への参入が確実視されている民間企業の多くが、フランスの水道大手・ヴェオリア社など“水メジャー”と呼ばれる海外企業。「水は買って飲むもの」という意識が当たり前の海外企業が参入することで、高水準の日本の水道水の安全性が担保できるのか、疑問の声は多く挙がっている。


 次に番組では、民間会社がコストカットしたために、水道管の破裂や水質悪化が相次いだ米アトランタの事例や、民営化によって10年で水道料金が3倍になったイギリスの事例などに触れた。ほかにも、ドイツ、アルゼンチン、スペイン、ハンガリー、ガーナ、マレーシア、ボリビアなど、水道事業の民営化はすでに世界各国で試みられたものの軒並み失敗している。


 数多くの失敗例のレポートに、ギャル曽根らコメンテーター陣は「なんでこんなに世界中でうまくいっていないのに、日本で民営化しようとしているんですか?」と、誰もが抱くであろう当然の疑問を口にする。


 それに対してMCの池上彰は、政府が民間参入を進める動機として、現在、水道を運営する地方自治体の3割が赤字であり、「民間の力を借りたい」としていると紹介したのだが、これに対して、コメンテーターの石原良純がこう鋭く突っ込んだ。


「すごくなんかね、体のいい言葉で『民間の力を借りたい』ってね。民間は民間で儲けるために参入してくるわけで、別に人助けでやろうとは思わないじゃないですか。それをわかりきってるのに、これ責任転嫁みたいなもんじゃないですか」


*池上彰、石原良純も「水道民営化しても大丈夫」論の欺瞞を指摘


 いつもは自民党の政策に擁護的な発言の多い良純にしてはめずらしいが、これはその通りとしか言いようがない。たしかに、老朽化した水道を改装するのに自治体は多大なコストを要するが、運営を民間に委ねたからといってコスト問題が解決するわけではない。当然、予想されるのは水道料金の値上げ、そして、コスト削減による安全性への不安だ。逆に言えば、民間会社である以上、絶対に利益を上げねばならない。その分のしわ寄せは必ず消費者にやってくる。たとえば、採算が取れない過疎地などの水道は、市場原理としてサービスが低下していく恐れがある。


 政府は、水道事業の運営者を決めるのは自治体であり、値上げには所有者である自治体の決定が必要としたことで、料金高騰に歯止めをかけているような説明をしているが、まやかしだ。実際、番組のなかで池上も解説していたように、過去の国鉄からJRヘの民営化では、当初、赤字の路線であっても維持する方針が決められていたにもかかわらず、2000年の鉄道事業法改正で、事業者による赤字路線の廃止が可能になった。池上はこう締めくくっていた。


「結果、採算のとれない地方の路線が次々に廃線になっていった。となると、そこに暮らしている人はどうなるんだ、というわけで。今回、水道事業に関しても『民営化されて大丈夫ですよ』と言われても、ふと気がつくと、こういうことになりかねない」


 料金高騰や水質悪化、赤字地域のサービス低下など、水道民営化後に予想される弊害は何をもたらすか。命に直結する問題であることはもちろん、これらは生活の格差をさらに助長するだろう。本サイトでも記事化してきたように、政権幹部と水メジャーとの癒着も取りざたされている。民間企業の経営者はどんな手を使ってでも利益を上げようとするが、それが公共の福祉として循環することはない。


 いずれにしても、割りを食うのはわたしたち市民だ。こんな法案を通した政府・与党は、結局、目先のカネのことしか考えておらず、そのためなら生活者の健康や命などどうなっても構わない。それがこの政権の本音だ。
(LITERA)
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