Matsuo Atsuokiのブログ

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法、歌唱法。

これがマトモな国家の税制なのか 納税者の反乱が必要だ

        


 何から何までデタラメの極みの増税対策に、ポンと気前良く2兆円も弾むとは……。1000兆円超の借金大国に、そんな余裕はないはずだ。


 安倍政権が来年10月の消費増税に向けた経済対策を固めた。増税後の景気の落ち込みを防ぐため、打ち出すのはキャッシュレス決済向けのポイント還元や自動車・住宅購入支援、公共事業の増額など、付け焼き刃の小手先対策ばかりだ。


 際立つのは、自動車・住宅業界への超が付く優遇策だ。与党税制改正大綱で増税後の新車購入者を対象に自動車税を恒久的に引き下げ、業界に出血サービス。年間530億円の恒久減税という大盤振る舞いに案の定、日本自動車工業会会長で、トヨタ自動車社長の豊田章男氏は「自動車税に初めて風穴をあけた」と大喜びだ。


 住宅業界にも増税後の住宅ローン減税の控除期間3年延長を決め、年間1140億円もの特大プレゼント。さらに「次世代住宅ポイント」「すまい給付金」にも計2085億円も費やす。いくら裾野が広い産業とはいえ、特定の業界に、これだけの特権を与える国は聞いたことがない。


 最大の目玉となるポイント還元策も、高い買い物をすればするほど恩恵を受ける金持ち優遇策である。低所得者ほど負担が重くなる「逆進性」こそ、消費税が“悪魔の税制”と呼ばれる理由だが、そんなことなどお構いなし。この政権の目には、経済弱者の姿が映っていないのだ。


■恩恵ナシの人々にも尻拭いを押しつける


 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。


「来年は統一地方選と参院選を実施する選挙イヤーです。自動車・住宅両業界へのバラマキは、ロコツな選挙対策。増税対策と称して、両業界を優遇する見返りに、支援と献金をお願いする構図です。安倍政権の支持基盤である企業や富裕層にだけ恩恵を与え、貧しい庶民は消費税の逆進性に苦しめられても、平気の平左。この政権の冷酷さは、一貫しています」


 5%のポイント還元が許されるのは、中小小売店の買い物客だけ。ただでさえ複雑な軽減税率のせいで、新レジ導入負担もバカにならないのに、カード端末まで購入したがる中小小売店はどれだけいるのか。


 そこで安倍政権は端末などの導入費用の3分の2を国が補助し、残り3分の1をクレジットカード会社など決済事業者に押しつけることにした。現行は決済額の3~7%程度が「手数料」としてカード会社に入るが、ポイント還元に参加するには、これも政権が押しつけた手数料率の上限を「3・25%」に抑えなければいけない。


 それでも実施期間は2020年の東京五輪までの9カ月のみ。還元期間が過ぎれば、端末導入費の負担や手数料の抑制で実入りの減ったカード会社がポイントをケチりかねないし、店側も手数料分を上乗せするかもしれない。利用者は損するばかりだ。


 こんな大バカ政策に、2798億円もの税金をブチ込むとは、気が知れない。しかも、電子マネーやクレジットカードを使わない消費者には何ひとつ恩恵がないのに、吸い上げられた血税だけは愚策の尻拭いに回されるのである。


 こんな不公平な税制がまかり通れば、マトモな国とは言えない。いつから、この国の政治家と官僚はアホの集まりとなったのか。


■お友だちだけ利益得るキャッシュレス普及


 ポイント還元にはキャッシュレス決済の普及という狙いもあるが、そのプロセスには怪しさが付きまとう。


 キャッシュレス普及で得をするのは、まずクレジットカードや電子マネーを扱う企業だ。安倍政権がキャッシュレス普及を成長戦力に掲げたのは、2014年。提言したのは日本経済再生本部の産業競争力会議で、メンバーには「楽天カードマン」のCMをバンバン流す楽天の創業者で、会長兼社長の三木谷浩史氏も加わっていた。


 さらに今回のポイント還元策を安倍首相に推奨したのは、経済財政諮問会議だ。メンバーには、ローソンからサントリー社長に転じた新浪剛史氏がいる。ローソンといえば、電子マネー機能もある「Pontaカード」が思い浮かぶ。安倍政権にキャッシュレス普及を求めるメンバーが、利害関係者なのは偶然だろうか。経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。


「あからさまな我田引水を疑われる状況で、ポイント還元という政策が政権の内側にいる人々の利益と結びついている可能性があるのです。しかも、経済財政諮問会議のメンバーには、旧住友銀行出身で日本総研チェアマンの高橋進氏も加わっています。銀行業界もキャッシュレス決済の普及で得する業界のひとつ。高橋氏をメガバンクの利益代弁者と見るのは、うがち過ぎとは言い切れないと思います」


 マイナス金利政策の長期化で「利ざや」が縮小し、経営の圧迫が続く銀行業界にとって、“コストの塊”のATMは今や完全なお荷物。1台につき、管理・維持費や現金輸送の人件費などで年間1000万円以上のコストがかかるとされる。


 全国銀行協会によると、銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行などを合わせて昨年9月末時点で約13万7000台のATMが存在。セブン銀行やイオン銀行などコンビニ型も含めると、約20万台が稼働中だ。


 ATMの維持コストはざっと年間2兆円に達し、銀行経営にズシリとのしかかる。キャッシュレス普及で、現金を使う機会が減ればATMの数も減らせる。重いコストの呪縛から逃れ、経営にもプラスに働く。キャッシュレス普及拡大には、メガバンクをはじめ、各業界の悲願や思惑が浮かび上がるのだ。


■おこぼれにあずかれず、フンだくられっ放し


「富の再配分こそ税制の本来の役割ですが、安倍政権は真っ向から逆行しています。政策や税制で政権の“お友だち”だけに富を与え、その負担を広く国民に押しつける。お友だちへの優遇策で、富の再配分が失われるのは本末転倒。そこから見えてくるのは、この政権には何の哲学もビジョンもないこと。ひたすら、お友だちに気に入られたいだけなのです」(斎藤満氏=前出)



 この政権は特定の業界に肩入れしながら、国民の社会保障費はバッサリ、カット。来年度予算案で高齢化などに伴う「自然増分」を約1200億円圧縮し、4800億円に抑えることを決めた。16~18年度の数値目標5000億円を超える削減だ。安倍政権は今年度まで6年連続で自然増分を削り、その額はトータル1・6兆円に上る。その上、さらに自然増分を深掘りするとは血も涙もない。前出の五十嵐仁氏が言う。


「社会保障の安定財源の確保という消費増税の本来の約束を守らず、増税分が社会保障で還元されなければ一体、何のための増税なのか。大企業や富裕層を太らせ、庶民は“おこぼれ”を待てという冷酷なトリクルダウン理論が安倍政権の本質で、哲学やビジョンなどハナから持ち合わせていません。そのトリクルダウンだって、今年度末に企業の内部留保が史上最高の500兆円を超えるといわれているのに、庶民はいまだ“おこぼれ”にあずかれず、さらに税金を巻き上げられて、経済対策の恩恵も受けられない。まさに踏んだり蹴ったりです」


 このまま消費増税に突入したら業界、市場は大混乱の中、日本経済は奈落の底に真っ逆さまとなる。国民を愚弄し、痛めつける政権には怒りの鉄槌を下すべきだ。燃料税引き上げに抗議し、マクロン政権を増税断念に追い込んだフランスのデモを、少しは見習った方がいい。今こそ納税者の決起・反乱が必要だ。
(日刊ゲンダイ)
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