Matsuo Atsuokiのブログ

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村上世彰氏に聞く 貯め込んでいる高齢者はお金をどう回す



 2000年代初めに「村上ファンド」を率いて株式市場を席巻した村上さんは、今、中高生に「お金の授業」をしている。お金で苦労してほしくないという思いからで、そのエッセンスは新著「いま君に伝えたいお金の話」(幻冬舎)にも書いた。もっとも、本当に伝えたい相手は高齢者だという。


「リクエストがあれば、お年寄りの方に“貯め込んじゃいけないよ講義”をやりたいですね(笑い)。お金って、ぐるぐる回って欲しいんです。社会にとっては血液。どこかで滞留したり、十分に行き届かなかったりすると、途端に具合が悪くなります。いまの日本経済は、血流の悪いカラダと同じ。お金はたくさんあるのに回っていない。それが問題なんです」


 経済をおかしくしているのは、企業の貯め込みグセだ。


「1990年ごろ、日本と米国の時価総額は、いずれも500兆円ぐらいでした。それから30年、日本は500兆円のままなのに、米国は2500兆円に膨らんだ。何が違うかというと、日本は貯め込み、米国は株主に還元したんです。たとえばアップルは今の収益の倍以上、還元しています。米国では使い道がないカネを貯め込まず株主に返すという思想があり、それがまた違うところに投資されるんです。そうやってお金が回った結果、5倍に増えました」


 お年寄りも負けじと貯め込んでいる。


「日本には1000兆円の個人金融資産があり、6~7割は60歳以上が持っています。ほとんどが預金で、株や投資信託はごくわずか。3000万人のお年寄りが700兆円ぐらいの預金を持っているということは、1人当たり2000万円以上貯め込んでいます。こんな国は日本だけ。人生を楽しめばいいと思うのに使わない。僕は死ぬまでに使い切ります。チャレンジしたい子供たち100万人に10万円ずつ渡す取り組みも始めています。相続はしません」


■アジアの不動産は「期待値が高い


 それでは、預金しか知らない高齢者は、どのようにお金を回していけばいいのか。


「日本企業は、成長が鈍化した国内ではなく世界で商売しています。長期的には上昇傾向にあり、ETF(上場投資信託)で日本全体の株に投資するのはひとつの方法です。日銀が毎年6兆円分買っているから『いつかは放出されるかも』と警戒する人もいますが、みすみす暴落させるわけがない。そのときは国が破綻します」


 1億円以上の金融資産がある人には海外の不動産投資を勧めている。


「僕はアジアに不動産を2万戸造りました。現地では日本の60年代、70年代と同じことが起こっています。それでシンガポールを拠点にして、インドネシア、フィリピン、マレーシア、カンボジア、ベトナム……経済が急速に発展しているところに建てて売って、ぐるぐる回しています」


 村上さんは投資の際に儲かる確率=期待値を割り出している。100円の株が1000円になる確率が10%で、50円になる確率が90%だったら、10×10%+0・5×90%で期待値は1・45という計算だ。期待値が1倍を大きく上回れば投資する。計算式のもととなるところはGDPや人口、平均所得などから算出しているそうで、素人には簡単にマネできないが、上がるか下がるかの確率だけでは投資しない。


「アジアの不動産は期待値が高いと思います。もちろんリスクはある。僕だってギリシャ国債で数十億円を失った。中国のファイナンスでも100億円近くの損失を出しています。失敗なんてよくあること。ただ、1億円以上の資産がある人なら、どうやって殖やすかじゃなくて、どうやって楽しむかを考えてお金を回してほしい。銀行にただ寝かせていても、いいことはありませんよ」


 残りの人生をどう生きるか、今が考え時だ。


(取材・文=二口隆光/日刊ゲンダイ)


▽むらかみ・よしあき 1959年、大阪府生まれ。83年、通産省(現・経産省)に入省。99年から2006年まで「村上ファンド」を運営。「モノ言う株主」として注目された。現在はシンガポール在住。
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