松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

北が安倍政権を猛批判 米朝破談で逆に日本を「脅威利用」

 米朝首脳会談が事実上決裂したことで、永田町では「北朝鮮は米国と同盟を結ぶ日本に仲介を頼まざるを得ない」「日本に接近してくる」との見方が盛んに流れている。日朝首脳会談の実現が近づいているかのような解説だが、むしろ現実は真逆だ。北朝鮮は日本批判のボルテージを上げ、軍事的挑発の口実に利用しようという意図も見え隠れする。
 朝鮮労働党機関紙の労働新聞(17日付)の〈軽挙妄動がもたらすものは破滅だけ〉と題した論評は、〈日本の反動が戦争可能な国、普通の国を叫びながら、軍備増強に熱を上げている〉と安倍政権を批判。
〈安倍一味は昨年12月に新しく策定した防衛計画大綱と中期防衛力整備計画を発表したのに続いて軍事費を大幅に増やそうとする企図を露骨に示し、その実現に拍車を掛けている〉と主張した。
 米朝協議で朝鮮半島有事のリスクが軽減されつつある中、安倍政権が攻撃転用を疑われる地上配備型ミサイル迎撃システムのイージス・アショアの配備や、F35戦闘機などの新型高額兵器の爆買いに走っていることを非難しているのだ。
 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏は言う。
「北朝鮮は〈行動対行動〉が原則。米朝会談に同行した崔善姫外務次官が15日の会見で対米交渉の中断をチラつかせ、核・ミサイル実験停止の見直しをにおわせたのも、物別れに終わった米朝会談を再開させるためのブラフの一種でしょう。一方で、安倍政権批判はエスカレートの一途。安倍首相がトランプ大統領に圧力を訴え、横ヤリを入れるのが我慢ならない。安倍首相が北朝鮮の脅威を政治利用してきたのと同様に、北朝鮮も軍事力増強を進める日本を脅威扱いし、東倉里のミサイル発射場の復旧を正当化する口実にしようとしているのではないか」
 労働新聞は北東アジアにおける“安倍リスク”をこうも扇動していた。
〈極めてあくどい安倍一味は犯罪的な軍事大国化策動を合理化するための名分として、わが国と中国の軍事的脅威に対する積極的な対処に入った〉
 安倍首相は施政方針演説で「昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました」と胸を張り、習近平国家主席との関係をテコに「日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります」と自信満々だったが、果たしてそうなのか。
「中国と北朝鮮の外交は共同歩調。北朝鮮が中国の意思を無視して発信することはありません」(中国メディア関係者)
 安倍首相が“向き合え”ている首脳は、この世にいるんだろうか……。
(日刊ゲンダイ)
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