松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

ステルス作戦で火に油 安倍首相“遊説日程隠し”の悪目立ち

 


 国民の目から逃げる「こんな人」が首相でいいのか――。5日、参院選の応援演説で新潟県入りした安倍首相。野党共闘を「決められない政治の再来」とあげつらうほど“舌好調”だったが、公示日に続き、この日の日程も非公表。今回の参院選でも遊説日程を公表しない“ステルス作戦”に打って出ているのだからアキれてしまう。
 安倍首相は6日、JR中野駅北口で15時半から演説する予定だが、6日を含め、肝心の自民党ホームページは安倍首相の日程を一切公表していない。二階幹事長ら党役員はもちろん、あの不人気な麻生財務相でも遊説日程は全て公表されているのに、党のトップで“選挙の顔”であるはずの安倍首相は名前さえ載っていないのだ。
 このような露骨な“安倍隠し”、いわゆる「ステルス作戦」が始まったのは、2017年夏の都議選最終日のアキバ演説で「ヤメロ」コールを浴びせた聴衆に向かって、安倍首相が「こんな人たち」呼ばわりし、自民惨敗を招いたことがキッカケ。アンチ排除のため、同年秋の衆院選でも遊説日程を隠した。
 ところが、中野駅前には<自民党総裁・内閣総理大臣 安倍晋三来る!>と書かれた看板が少なくとも3カ所、電柱や街灯にくくりつけられていた。加えて、中野区を含む自民党東京都第7選挙区支部によると、「地元の自民党員ら支援者に向けて、区議会議員が首相演説を告知するチラシを配った」という。
 アンチに来られても困るし、聴衆もマバラなら安倍首相の沽券にかかわる――。そんな忖度から、中野区の自民支部も地元の有権者だけにコソコソと宣伝せざるを得ないのだろう。今回の参院選でも安倍首相の遊説日程を公表しない理由を自民党本部に問い合わせると、「急な変更もあるため、党本部としては確定していない情報を公表できない」(遊説班)と言い訳に終始。今後公表するかどうかも「検討しているが、先のことは答えられない」(前出の遊説班)の一点張りだった。


■自民党はフザけた言い訳を
 そもそも、安倍首相以外の大臣のスケジュールも急に変更になる可能性がある。相次ぐ海外訪問が“スタンプラリー外交”とヤユされている河野外相の遊説日程でさえ、自民党ホームページには詳細に載っているのだ。「急な日程変更があるから公表しない」との理屈は、安倍首相の日程だけを非公表にしていい理由にはならないのである。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏が言う。
「1989年の参院選で惨敗した宇野宗佑元首相を思い出します。当時、宇野元首相は女性スキャンダルを報じられ、支持者が集まる自民党本部前で『第一声』を行った。それと同じように、身内しかいない場に出てきても、『批判から逃げているじゃないか』と有権者に思われて当然です」
 そんな自民党の思惑とは裏腹に、既にツイッター上では、「#会いに行ける国難」のハッシュタグで、あすの安倍演説の情報がモーレツな勢いで拡散している。“国難首相”を隠そうとすればするほど、逆に「こんな人たち」の火に油を注いでいるのだ。
「SNSが普及している現在、支持者だけに日程情報を流しても、すぐに情報は拡散されます。日程をオープンにしないから自民党側の姑息さが悪目立ちしてしまう。ステルス作戦は完全に、裏目に出ていると言わざるを得ません」(ITジャーナリストの井上トシユキ氏)
 ネット戦略にたけているといわれる自民党だが、ステルス作戦の失敗を自覚できないらしい。“この親分にして、この子分あり”。やはり、組織は頭から腐る。
(日刊ゲンダイ)
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