松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍政権vs小池知事 休業要請巡るバトルは不毛な政治闘争

 


 新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴う店舗や施設への「休業要請」を巡って繰り広げられた政府と東京都の泥沼バトル。それは国民不在の醜い政治権力闘争でしかなかった。
 小池都知事と西村経済再生担当相は9日、休業要請の対象となる店舗や施設を巡って協議し、最終的に折り合ったが、ここに至るバトルは激しかった。
 小池知事は「外出自粛」と「施設の使用制限」を同時に行う必要性を主張し、理髪店などを対象に含めることも求めてきた。一方、西村大臣は「まず、外出自粛要請を行い、効果を見極めた上で休業要請をして欲しい」とし、理髪店などは対象に含めない意向を示してきた。安倍政権は、休業要請で巨額補償を求められることや、経済活動が停滞することを懸念したのだ。
 そもそもここまで話がこじれたのは、政府が宣言の直前に、3月28日付で決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の中身を改定したことが原因だ。
 同日時点で〈都道府県は、まん延防止策として、クラスター対策及び接触機会の低減を、地域での感染状況を踏まえて、的確に打ち出す〉だった文言は、今月7日に〈都道府県は、国に協議の上、必要に応じて専門家の意見も聞きつつ、外出の自粛等の協力の要請の効果を見極めた上で行うものとする〉と変更されている。


■醜い主導権争い
「変更されたタイミングは都が6日に休業要請対象業種の案を発表した直後。政府は『国の要請に自治体が従う』という形にしたいのだろう。先行する小池知事を抑え込むため、官邸が文言変更を指示したのでは、との噂も飛んでいる」(都政関係者)
 結局、国に先んじる小池知事が気に入らないからクギを刺したということか。国と自治体間の主導権争いが背景にあることは、感染者が増加する愛知県が宣言の対象地域に含まれなかった件でも見え隠れする。
「対象地域から愛知が外された理由について、西村さんは国会で『感染者倍増のスピードがゆったりしているから』と答えていたが、それだけじゃない。政府との信頼関係が構築できていない知事だから入れられないというのが官邸の判断のようだ」(自民党関係者)
 大村県知事の要請で9日、ようやく愛知県は対象地域に加えられる方向となったが、大村知事と言えば、「あいちトリエンナーレ」の展示の対応で政府とひと悶着あった。コロナ対策で、政府の専門家会議が医療提供態勢が逼迫している都府県のひとつに愛知県を挙げたことに、大村知事が「大変迷惑」とブチ切れたことも、官邸の逆鱗に触れたのは想像に難くない
 もっとも、妥当な施策を打ち出しているかに見える小池知事も同じ穴のムジナだ。
 東京五輪延期が決まるまでコロナ対策にほとんど“無関心”だったのに、今さら勇ましげにこぶしを振り上げても、しらじらしいだけだ。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。
「都と政府はどちらが休業補償するのか、責任のなすりあいをしているように見えます。今はいち早く休業要請と補償をセットで打ち出すべき時です。政治的な駆け引きをしている間に、感染拡大はより危険な状況になってしまう。国民の命を守ることを最優先すべきです」
 こんな連中に任せていたら、事態は悪化するばかりだ。
(日刊ゲンダイ)
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