松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

日本はどうしたのか 正気とは思えないトランプ“狂騒”<下>

 


*天皇の政治利用のエスカレートとそれに慣らされる怖さ
 新天皇の即位後、最初の国賓として招待されたことを、トランプは大喜びしているという。
 それにしても、安倍政権による皇室の政治利用は、度を越している。毎日新聞(5月23日付)によると、安倍は「どうすればトランプ氏の機嫌が良くなるか、さまざまな趣向を凝らしたい」「天皇陛下との会見や宮中行事がある国賓ならば、トランプ氏は喜ぶだろう」と語っていたというのだ。
 要するに「トランプ接待」のために天皇を政治利用したということだ。天皇は即位後、まだ1カ月もたっていない。行事も続き、多忙なはずだ。ムリをかけているのは間違いないだろう。それでなくても安倍政権は、天皇に国政を報告した「内奏」の写真を即日公表するなど、露骨なまでに皇室を政治利用している。
 それでいて、皇室には関心がないというのだから、信じられない。「『平成の天皇』論」を書いた毎日新聞の論説委員・伊藤智永氏が、「月刊日本6月号」のインタビューでこう答えている。
<安倍政権の対応について皇室関係者が杉田官房副長官に抗議した際、杉田氏が思わず「いや、退位に反対とかいうことはありません。総理は本質的に天皇や皇室に関心がないんですから」と漏らしたので、あきれて絶句したそうです>
 関心がないのに、都合よく政治利用するとは、どういうつもりなのか。


「戦前の反省もあって、天皇の政治利用だけは絶対にやらないというのは、政治家が守るべき最低限のルールだったはずです。権力者が天皇を政治利用すると、この国はロクなことにならない。
 心配なのは、安倍政権によって天皇の政治利用が当たり前のように行われ、国民がそれをおかしいと思わなくなりはじめていることです」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 好き勝手に皇室を政治利用している安倍政権に対して、どうして右翼は怒らないのか不思議だ。

*拉致被害者との面会の無意味、護衛艦視察の重大な意味
 トランプは27日の日米首脳会談後、北朝鮮による日本人拉致被害者家族と面会する予定だ。面会する理由は「拉致問題の解決に向けた協力を確認する」となっているが、安倍自身が拉致被害者の家族に対して「日朝首脳会談については、まだメドが立っていないのは事実」と認める中で、果たしてどれだけの意味があるのか。
 そもそも、米国だって北朝鮮に対する姿勢は一枚岩じゃない。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日に都内で会見した際、北の弾道ミサイル発射は「国連安全保障理事会の制裁決議違反」と非難したが、トランプは翌日のツイッターで〈私を困らせていない〉と投稿し、問題視しない考えを強調している。米国が今後の対北政策について、どんな展開を描いているのかは不透明なのだ。安倍にしてみれば、拉致被害者とトランプが面会すること自体が自分の外交「実績」であり、「アピール」になると考えているのだろうが全くナンセンスだ。
 対照的に重大な意味を持つとみられるのが、安倍とトランプが28日に予定している、海上自衛隊の護衛艦「かが」の乗艦だろう。トランプはその後、ステルス戦闘機「F35B」を搭載した米強襲揚陸艦「ワスプ」の艦上から米国民に向けて「戦没将兵追悼記念日」の演説を行う予定だが、「かが」も今後、「F35B」の搭載がささやかれている。そのため、「かが」にトランプを乗艦させることで、日本の防衛力をPRするとともに日米軍事同盟の強化や、米国製武器の“爆買い”をほのめかすのではないかとみられているのだ。
「今後の日米貿易交渉で、米国に強硬姿勢で臨んでこられれば政権維持が危うくなる。ならば、『代わりに武器を買いますよ』というシグナルを送ろうと考えているのであれば言語道断です」(五十嵐仁氏=前出)
 選挙に勝つためには何でも利用する悪辣政権の考えそうなことだ。
(日刊ゲンダイ)
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