松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍政権×吉本のズブズブで注目 クールジャパン機構の惨状

  


 吉本興業と安倍政権のズブズブ関係でクローズアップされている官民ファンド「クールジャパン機構」。すでに吉本が関係するエンタメ事業に22億円を投資済みで、さらに吉本の教育ビジネスに100億円を段階的に投入する予定だが、所属芸人と契約書も交わさない“ブラック企業”に税金をつぎ込んで大丈夫なのか。というのも、この官民ファンドの経営は179億円もの巨額累積赤字という惨状なのだ。
 クールジャパン機構(登記名・株式会社海外需要開拓支援機構)は、日本の食文化やエンタメの海外進出を後押しするため2013年に発足。官民ファンドとはいえ、政府出資が8割を超える。18年3月末までに29件、約620億円を投資したが、累積損失が97億円となり、経営陣が交代した。
 18年6月から社長を務めるのはソニー・ミュージックエンタテインメント元代表取締役の北川直樹氏、専務は英投資ファンド・ペルミラ日本法人元社長の加藤有治氏。
 新経営陣の投資第1号は、料理動画で世界最大級の米テイストメイドだったが、ここで経営方針が当初のファンドの目的から明らかに変質したという。
「SNSで人気の料理動画には『デリッシュキッチン』『クラシル』など日本のスタートアップ企業も進出しているのに、どうして米国企業なのか。日本文化の輸出という大義名分は吹き飛び、利益を上げてナンボの投資会社に変わったということでしょう」(金融関係者)


■専門家は「民間企業なら休眠」
 今年4月以降も、インフルエンサーを使ったマーケティング支援のシンガポール企業や米国の酒通販会社などに出資。海外目線で日本の観光地や食文化を発信してもらう、日本酒も通販商品に加えてもらう、と説明しているが、海外企業への投資が目立つ。
 そのうえ、この1年で業績はさらに悪化。19年3月期の決算は、売上高8億円に対し、営業損益が81億円の赤字。累積損失は179億円と倍近くに膨らんでしまった。
「こんな決算書は見たことがない」と言うのは経済ジャーナリストの有森隆氏だ。
「売上高8億円に対し、売上原価が67億円というベラボー。経費がかかりすぎで、営業赤字が増えるのは当然です。ここまで売り上げが少なければ民間企業なら休眠させて損失を出さないようにする。税金で運営される官民ファンドだから続けられるのですよ。官民ファンドはアベノミクスの目玉事業なので、活動を続けるため赤字に目をつぶるのでしょうが、当初の志から変質しているし、もうやめたほうがいい」
 芸人との契約書がないようなコンプライアンスに問題がある吉本に投資したら、資金がどう使われるのか疑念がある。100億円が国民負担として消える前に、デタラメ官民ファンドは早く店じまいした方がいい。
(日刊ゲンダイ)
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