松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

トランプの寵愛を得るしか頭にないポチでは交渉にならない

  


 安倍晋三首相が1月19日の日米安保条約調印60年の記念式典で、同条約を「不滅の柱」「世界の平和を守り、繁栄を保障する不動の柱」「60年、100年先まで世界を支える柱」と称えたことに、野党のベテラン議員はあきれ顔である。
「この構造変動の時代に、どんな同盟にせよ外交関係にせよ、不滅・不動の永遠性を持つなどということがあるはずがない。ましてや米国は今、超大国の座から滑り落ちて、自国第一に立てこもる自閉的な傾向を強めていて、60年、100年先に日米同盟が続いていると考える方がおかしい。もうご主人様の寵愛を得ることしか頭にないポチになりきっているんでしょう」と、手厳しい。
 しかも今年は、トランプ米大統領がこだわる在日米軍の駐留経費負担の大幅増額をめぐる交渉に直面する。同負担にかかわる特別協定が2021年3月末で期限切れになるためで、それに向けて米側は現在の1974億円(19年度予算)を約4倍の8700億円に増やすよう求めてきている。そもそも在日米軍は日本防衛のために駐留してくれているのではなく、太平洋からインド洋、中東地域まで自由に展開するための拠点として日本を利用しているのだから、その経費を日本国民の血税で賄う筋合いはない。
 しかも、特別協定による1974億円は実は日本が負担しているごく一部で、そのほかに基地周辺対策などに1914億円、沖縄の辺野古関連で256億円、さらに在沖海兵隊のグアム移転など米軍再編関連で1679億円があるので、総計では5823億円にも達する。
 だからこの交渉に当たっては、「ふざけるな。文句があるなら日本から出て行け」と相手を脅し上げるくらいの強い姿勢で臨まなければならない。それが、どうだ、このポチぶりは。これではますますトランプの無知に基づく理不尽な要求をはねつけることなどできなくなる。
 藤原帰一東大教授が言う通り、「トランプ氏のように上下関係しかない世界では、ボスの言うことは絶対だ。トランプ氏と親密な関係を結ぶということは、反対せずに平伏するだけ」(20日付朝日新聞)だというのに、安倍は尻尾を振り振りその屈辱的な関係を受け入れようとしているのである。この日米交渉の行方を厳しく監視していく必要がある。
(日刊ゲンダイ・高野孟)
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