松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

重大局面「首都封鎖」の現実味 息苦しい暮らしを徹底予測


「今は感染爆発の重大局面。今週末は不要不急の外出を控えていただきたい」――。小池知事は25日の緊急会見でこう語った。東京都の新型コロナの感染者は24日時点で171人だったが、25日は過去最大の41人が新たに増えた。五輪延期が決まった途端、急増したことで、一気に「首都封鎖(ロックダウン)」の現実味が増してきた。封鎖暮らしはわれわれをどのように縛るのか。
 いち早く外出制限を出したのがフランス。ニュースでは警察がパリ市内をパトロールし、通行人に外出申請書の提示を求める場面を見かける。パリ在住の作家・辻仁成氏は自身のウェブマガジンで現地の様子をこうリポートしている。
「ロックダウンになると営業出来る店は、スーパー、薬局、食材を売る店(八百屋、魚屋、肉屋、パン屋)、タバコ屋、病院などに限られ、あとは閉鎖」「普通の会社は基本テレワークになる。Amazonも生活必需品を優先し、贅沢品は配達をやめている」
 運動や買い物のために移動できるのは500メートル・1時間以内に制限。感染のひどい地域では午後10時から翌朝5時まで完全封鎖だ。勝手に出歩いた場合の罰金は当初は約5000円だったが、出歩く人が多いため、最大で約18万円まで跳ね上がった。「それを4回破った者には50万円と6カ月間の投獄となる」という。
 米ニューヨーク州では全ての事務所や店舗を閉鎖し、全従業員を自宅待機させ、あらゆる規模の集会を禁止する知事令が出された。
 東京のロックダウンはどんな事態を招くのか。都庁に問い合わせたが「緊急事態宣言が発動された場合、外出制限や施設使用の制限が考えられますが、それ以外のことはまだ具体的に決まってません」(防災管理課)とツレない回答だった。
 しかし、「首都封鎖」の言葉は独り歩き。ネット上では「千葉や埼玉から都内の会社に通えなくなるのか?」「都外から都内の病院に通院しているが、診察を受けられなくなるの?」「食料やトイレットペーパーを買い占めといたほうがいいのか?」といった疑問が上がっている。小池知事の外出自粛要請を受けてすでに人々は買い占めに走っている。先日はテレビのコメンテーターが「持病のある人は今のうちにクスリを多めにもらっといたほうがいい」と呼び掛けていた。


*最悪の場合は電車や地下鉄もストップ
 こうした中、注目されているのが作家の高嶋哲夫氏が2010年に発表した小説「首都感染」(講談社)だ。中国発の新型インフルエンザが東京に上陸。感染拡大を防ぐため、地図のように政府が多摩川、環八通り、荒川のラインで東京を封鎖して人や物資の移動を止めるストーリーだ。
 高嶋氏が言う。
「東京は高層ビルが多く、ゴチャゴチャしているので、ウイルス感染がエスカレートするとも考えられます。患者の致死率が高まり、政府が道路や橋を封鎖するという概念で執筆しました。現実に首都封鎖になれば、都民はわずか数メートル先のコンビニにも行けず、友だちと会うこともできなくなる。警察は市民がこっそり外出しないよう24時間見回りをするでしょう。体育館を病院に使い、最悪の場合は電車や地下鉄もストップ。取り締まり強化のために自衛隊が出動することも考えられます」
 反抗期の少年が外出できないストレスから家族に暴力を振るったり、忙しい会社では社員を帰宅させず泊まり込みで働かせる事態も考えられる。食料品の買い置きがない人は夜間にスーパーに忍び込むかもしれない。
「人の気持ちがすさんで、パニックに陥る可能性もあるのです。政府や東京都が国民を納得させ、きちんと情報を伝えなければ事態が深刻化しかねません」(高嶋氏)
 とはいえ、小池知事がいくら騒いでも、首都封鎖は都の単独判断ではできない。
「先日、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正されたため、首都封鎖は安倍首相の指示が必要になりました。自治体の単独判断では出せません。また、違反者への罰則規定も現時点ではありません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
 ウイルス感染の勢いは増すばかり。窮屈な封鎖生活は現実になるのか。
(日刊ゲンダイ)
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