松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

10万円辞退強要 麻生財務相“殿様目線”に芸能界も拒否反応

 


 給付金辞退は美徳なのか――。所得制限なし、全国民一律10万円の受け取りをためらうような雰囲気がはびこってきた。きっかけは麻生財務相の「手を挙げた方に給付する」発言。ここでひるんだら、ドケチ政権の思うツボだ。麻生財務相の傍若無人な態度には、芸能界でも怒りが沸騰している。


■政権挙げて「卑しい」のレッテル貼り
 10万円給付に転換した途端、麻生氏は「手を挙げた方」発言で水を差した。これに呼応するように全閣僚・副大臣・政務官は手を下ろし、受け取りを辞退。自民党の国会議員も調整中だ。総務省も給付金の申請書類にわざわざ、各世帯一人一人に受給希望の有無の欄を設け、“踏み絵”を踏ませる始末である。
 まるで一定の収入があるのに10万円を欲しがれば、さも「卑しい」と見なすレッテル貼り。麻生氏の発言を機に、政権総出で手を挙げにくいムードが醸成されつつある。
「今回の給付を景気浮揚策と見なす向きもありますが、あくまでコロナの災厄を等しく受ける人々への“お見舞金”の位置づけ。誰もが受け取るべきで希望を聞くこと自体がおかしい。受け取った後にどう使うかも個人の自由です。さすがに撤回したとはいえ、広島県知事がコロナ対策と称し、県職員の給付金を没収しようとした案は論外です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 そもそも現金給付の二転三転は麻生氏のトラウマが元凶だ。1日には参院決算委員会で「二度と同じ失敗はしたくない」と答弁。総理時代の2009年、リーマン・ショック後の「定額給付金」の失策を引きずった麻生氏の頑迷固陋が、一律給付の重しとなった。コロナ対策より主要閣僚の個人的心情が勝るあたり、この政権のヤバさを物語る。


■芸能界の大御所たちがブーイング
 自分勝手な上から目線に業を煮やしたのだろう。芸能界からも麻生批判が相次いでいる。
「いちいち、ぼやいててもしゃーないけど。あかん人が分かりましたよね、大体」
 19日のニッポン放送の生番組で、こう切り出したのは笑福亭鶴瓶だ。「マスクを耳に掛けたまましゃべっている人もそうやし」と続けた。ネット上にはマスクを耳に掛けて話す麻生氏の写真が拡散している。鶴瓶は実名こそ明かさなかったが、麻生氏を「あかん人」に指名したのは間違いない。
〈国民に対してチョイチョイ真上から目線の発言が目立つ麻生氏は本当に何を考えてんだか俺には分からんわ!〉
 このツイートの主は元格闘家の高田延彦で、19日に麻生氏の「手を挙げた方」発言を批判。20日放送の「バイキング」(フジテレビ系)でも、MCの坂上忍が「この人のお金でも何でもないんですけど、何であんな言い方されるのか、さっぱり分かんない」と吐き捨てた。
 怒りが収まらないのは俳優の梅沢富美男だ。21日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」で、こう憤慨してみせた。
「お殿様気分でいるんだったらいればいい。じゃあ下々に1回下りてきて、どんな暮らしをしているのか、テメエの目でちゃんと見ろ。なんだい、その手を挙げた方に10万円くれるって? 全く失礼じゃないですか」
 それでも懲りない麻生氏はまたヒンシュク発言。22日の衆院財務金融委員会で感染拡大に伴うテレワーク推進による生産性向上を期待した上で、「災いを転じて福となす」と言い放った。「国会議員も半分にしたら」「(コロナで)ウハウハな企業も片一方にはある」と続き、相変わらず上から目線の言いたい放題だ。
 この期に及んでも生産性を優先とは、やはり下々の暮らしには見向きもしない。芸能界の大御所たちの苦言も、この人には馬耳東風である。
(日刊ゲンダイ)
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