松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍政権もくろむ「検察庁法改正案」強行採決が致命傷に

 


 安倍政権がコロナ禍のドサクサに紛れてゴリ押しする検察庁法改正案がモーレツな批判にさらされている。新型コロナウイルス対応は後手後手なのに、検察官人事の恣意的運用の正当化は超特急だからだ。週末から「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグをつけたツイートが急増。著名人も次々に参戦し、500万件を超えてツイッターデモ化しているが、アベ自民党はお構いなし。週内の衆院通過をもくろんでいる。しかし、採決を強行したら命取りになるだけだ。
 安倍政権が、検察官の定年を延長する「検察庁法改正案」の成立にシャカリキになっているのは、「官邸の守護神」と呼ばれる黒川弘務東京高検検事長を検事総長に就任させるためだ。
 そもそも問題の発端は、本来“2月退官”だった黒川検事長の定年を、1月末の閣議決定で半年間延長したこと。今回の法案は、官邸の脱法行為を後付けで正当化しようというものだ。しかも、国家公務員の定年を65歳に延長する国家公務員法改正案と抱き合わせにして、8日の衆院内閣委員会で審議入りした。
 検察庁法改正案に反対する野党は、森法相の出席や内閣委・法務委の連合審査を求めたが、与党は森法相の出席を拒否。野党が欠席する中、与党と日本維新の会の3党のみで質疑を進めたのである。
 こうした動きに芸能界も反発。きゃりーぱみゅぱみゅ、水原希子、城田優、井浦新、ハマカーン神田らが「#抗議します」のハッシュタグでツイートし、社会現象となっている。500万のツイートは、前代未聞である。


■13日委員会採決、週内衆院通過シナリオ
 11日の参院予算委員会の集中審議で立憲民主党の福山哲郎幹事長がツイッターデモを取り上げ、検察庁法改正案の分離を提案したが、安倍首相は「政府としては法案として提出させていただいている。どのような議論を行うかは国会でお決めいただきたい」とスッとぼけた。
「週内の衆院通過は既定路線。8日の内閣委で2時間審議したのを踏まえ、13日には残り3時間を質疑に充てて採決する方針です。野党が求める森法務相の出席には応じない」(与党関係者)
 安倍政権は、なにがなんでも息のかかった人物を検事総長に就けるつもりだ。オトモダチ政治をあらわにした「モリカケ疑惑」も、地元の票集めに利用してきた「桜を見る会疑惑」もチャラにしようというのである。
「#抗議します」に賛同した元特捜検事の郷原信郎氏は言う。
「日本の司法は検察が公訴権を独占している。政権が検察の人事を支配するのは三権分立を揺るがす大問題ですし、法務省と関係ないところで審議しているのもメチャクチャ。そもそも、検察官の職務は属人的ではなく、定年延長は全く必要ないし、そうした要望もない。にもかかわらず、政権が強行するのは邪な目的からにほかならない。違法な閣議決定を数の力で正当化しようとしている」
一方、アベ応援団は理屈で反論できないのか、「#抗議します」をツイートした芸能人に「法案を理解していない」「政治的な発言をするな」とイチャモンをつけ、「#検察庁法改正案に興味ありません」というハッシュタグまで出現している。
 しかし、500万ツイートを無視したら、火に油となるだけだ。これまでは、どんな悪法も成立してしまうと国民の怒りは沈静化した。ところが、今回の法改正には、有名人が「もうこれ以上、保身のために都合よく法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」と切実に訴えている。かつてない大きなうねりを踏みつぶせば、政権の致命傷になるのは必至である。
(日刊ゲンダイ)
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