松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍首相が逮捕なら…「アタクチに責任があります」って?

 


 憲政史上最悪と名高い安倍政権がなぜ7年以上も続いたのか。一番の理由は、詰んでいるのにもかかわらず、最後に将棋盤をひっくり返すやり方を続けてきたからだろう。
 しかし今回はこれまでとは事情が違う。
 前法相の河井克行と妻で参議院議員の案里が、昨年7月の参議院選挙をめぐって地元議員らに票の取りまとめを依頼し、報酬として現金を配った事件。2人が逮捕されたのも、検察が本来の仕事ができるようになったからだろう。
 官邸は脱法的な手法により安倍に近い黒川弘務を次期検事総長に起用しようとしていたが工作に失敗。
「週刊文春」(6月25日号)によると、広島地検の幹部は記者に対し「官邸が圧力をかけて、河井夫妻の捜査をやめさせようとしている」「官邸は(稲田伸夫)検事総長を(黒川の監督責任で)辞めさせて、河井捜査を止めようとしているようだが、そうはいかない」と語っていた。
 また、克行は法相に就任すると、知人に対し「法務・検察の上に立った。もう何があっても大丈夫だ」と語っていたとのこと(「東京新聞」6月19日)。絵に描いたような悪党である。
 現職の国会議員2人が逮捕されたのは、すでに大量の証拠を押さえたからだろう。
 詰め将棋で言えば難易度は低い。順番を追って考えてみる。
①通常1500万円程度の選挙資金の10倍にあたる1億5000万円が、自民党本部から河井陣営に流れた理由は、かつて安倍を「もう過去の人だ」とこきおろした元参議院議員の溝手顕正を落とすため。要するに私怨。実際、党広島県連関係者は党本部サイドから「これは総理案件だから」と説明されたという(「毎日新聞」6月18日)。
②これは幹事長の一存で動かせる金額ではない。検察が調べているのは安倍が指示した可能性について。公選法では買収目的でカネを出せば、交付した側も罰せられる。
③安倍の地元事務所からは、筆頭秘書をはじめ、4人もの秘書が現地に送り込まれていた。
④疑惑が報道されると、克行のパソコンから現金の配布先のリストが消去されていた。ここは小渕優子に相談すべきだったが後の祭り。
 この先、仮に安倍が逮捕されたら、いつも通り「アタクチに責任があります」とでも言うのだろうか。さすがに言わないか。
(日刊ゲンダイ・適菜収)
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