松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

根拠はあるのか 不可解な「共産党抜き」野党共闘の主張

 


 月刊日本9月号の中で、「共産党抜きの野党共闘」について正鵠を得た発言が目についた。


 まず、元参院自民党議員会長・村上正邦氏は「野党は……『共産党とは組めない』とか内輪もめばかりしていますが、本気で政権交代を目指しているならば、そんな甘っちょろいことは言えないはずですよ」と語っている。


 さらに、経済学者の植草一秀氏は「1人しか当選者が出ない選挙で、反自公陣営が複数候補を擁立すれば自公が勝利するのは当たり前だ。『共産党とは共闘しない』とする勢力は『隠れ自公応援団』である疑いが濃厚なのだ」とまで断言している。


 確かに、1選挙区で1人しか当選できない「小選挙区制」(知事選、衆院小選挙区、参院地方区等)において、常に自公共同推薦候補が立っている以上、野党側は1人の野党統一候補に絞れない限り、もとより勝ち目はない。


 過去の選挙の統計では、与党側と野党側の得票の合計はそれぞれ総投票数の40%台で拮抗している。そして、約5割の棄権者がおり、野党統一候補が実現して、その者が魅力的で、野党陣営が一丸となって戦った時に、野党は勝利できている。


 小選挙区制は、「相対的」多数派に「絶対的」多数の議席を一時的に与え、政策の決定・執行力を高める制度である。同時に、多数派が傲慢なことをやれば一気に政権交代(浄化)ができる制度である。しかし、与野党が1対1の対決でないと自浄装置は機能しない。


 森友・加計問題に見るように、歴史上比類なき安倍一強体制の下で、国家の三権分立までが機能不全に陥っていることは明らかで、それに民心が倦んでいることは各種世論調査でも顕著である。


 だから、私には、この期に及んで「共産党抜きの野党共闘を」などと言っている人の気が知れない。私がそのような人々に何回その「根拠」を尋ねてもまともな答えが返ってきたためしがない。


 この際、野党各党の責任ある人士により、「野党共闘に共産党を加えることの是非」というテーマで公開シンポジウムを至急開催することを、提案しておきたい。
(日刊ゲンダイ)
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