松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

たかられる日本 トランプ放言「普天間1兆円返還」のルーツ


 28日から始まる大阪G20サミットを前に、戦後最強とされる日米関係がギスギスしている。米ブルームバーグ通信(24日付)が報じたトランプ米大統領の「日米安保破棄」発言問題。トランプ大統領は最近、側近との私的な会話で、日米安全保障条約において日本が米国の防衛に駆けつける義務がないのは「一方的過ぎる」と不満をもらしたという。日米両政府はこの報道の火消しに回ったが、トランプ大統領は26日(現地時間26日)のFOXビジネステレビのインタビューで、「日本が攻撃されたら米国は日本を守らなければいけないが、米国が攻撃された時、日本はわれわれを助ける必要がない。日本はその状況をソニーのテレビで見ていられる」と発言。トランプ大統領の放言はいつものことではあるが、問題はそれだけじゃない。
 同通信(日本語版)によると、トランプ大統領は辺野古への米軍基地移設を<土地の収奪>と考えており、<米軍移転について金銭的補償を求める考えにも言及した>という。
新基地建設にはすでに2.5兆円もかかると試算されているのに、移設を理由に日本からカネをむしり取ろうとしているのだ。
まったく安倍政権もナメられたものだが、この話にはまだ続きがある。
 当該記事の原文(英語)をよーく確かめると、日本語版には書かれていない驚くべき発言がこう記されているのだ。
<安倍首相は2013年、沖縄米軍基地の代替施設が建設されたら早くとも2022年に沖縄から基地を移設することでオバマ米大統領と合意した。しかし、関係者によると、トランプ大統領は基地の土地に開発の余地があると考えており、100億ドルの不動産価値があるはずと言っていた>


■卑屈な交渉で同じ値段を打診の過去
 安倍首相とオバマ大統領は13年2月の日米首脳会談で、普天間飛行場の移設と嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めることで合意。100億ドルは約1兆円だから、トランプ大統領は「普天間から基地を移設するなら1兆円よこせ」と日本に吹っかけようとしているに等しいのだ。沖縄国際大大学院教授の前泊博盛氏(日米安保論)がこう言う。
「普天間の地権は今も日本にある。米国が基地返還の際に原状回復義務を免れているように、日本から米国に返還に伴う対価を支払う義務などありません。米政府関係者の話を基に、かつて防衛省幹部に『1兆円で普天間を返還するという話があると聞いた』と水を向けたことがあります。その幹部とのやりとりで、基地返還を金で解決する交渉があったのだろうと思いました。公式にその話は認められていませんが、トランプ氏が1兆円に言及した根拠かもしれません」
 もしかすると、トランプ大統領は何でもカネで片付けようとする日本政府の卑屈な「普天間1兆円返還」交渉を小耳に挟んだのかもしれないのだ。
「トランプ氏の外交は、米国にとって『儲かるか、儲からないか』です。要するに、基地移設に伴う逸失利益を日本側に要求している。これに抗議せずして、果たして日本は主権国家と言えるでしょうか。もし仮に補償義務のない1兆円を米国に払ったところで、普天間の土地が確実に返ってくる保証はありません」(前泊博盛氏)
 1兆円もの価値があるなら、なおさら返還を迫るのが日本政府の役目だが、カネを払ったら最後。さらに吹っかけられるのがオチとなりかねない。
「おまえのモノはオレのもの」――。“ジャイアン気質”のトランプ大統領にたかられる“のび太”安倍首相。看板が「外交」だなんて、チャンチャラおかしいではないか。
(日刊ゲンダイ)
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