松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

教育も科学技術も…世界で競争できない日本の未来は暗い

 


 国の未来を切り開く教育と科学技術。ここでも「日本沈没」は深刻だ。
 例えば、日本の大学は世界ランキングで上位に入れない。アジアだけで見ても(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・ランキング)、ベスト10入りは8位東大のみ。ベスト20でも、中国6校、韓国5校、香港5校と比べて日本は2校だけだ。
 経営大学院(MBA)の世界ランキングでも、ベスト100に日本はゼロ。ランク入りの数で、米英に次ぐ3位中国の相手にもならない。
 毎年のようにノーベル賞学者を出している日本だが、それは昔の研究への評価だ。
 最近の調査(科学技術振興財団)では、先端151分野の有力論文ランキングの各分野1位は全て米国と中国だった。しかも、日本は2位に入る分野さえなく、5位以内に入れたのもわずか19分野。最重要分野といわれるAIでは、世界10位と大きく遅れている。
 世界で競争できない理由の一つに英語力の欠如があるが、こちらも、調査対象100カ国中、日本は53位(EF EPI英語能力指数)。アジア25カ国中でも11位。韓国6位、ベトナム7位、中国9位より下なのだから悲しくなる。
 新型コロナ対策で、欧米諸国は遠隔授業が盛んだが、「端末1人1台!」とぶち上げた安倍政権の目玉政策も2023年度までかけての話。コロナ休校で、慌てて「前倒し!」の号令がかかったが、早くて来年3月までかかる。


■ICT利用教育はOECD等47カ国中46位
 さらに、情報通信技術(ICT)を利用した教育を頻繁に行う中学教師の割合は、1位デンマークの90%に対して、日本は18%。経済協力開発機構(OECD)加盟国等47カ国中46位だ。テレビ会議の経験すらない教員もいるという(日経新聞)。新型コロナの感染防止対策で手いっぱいの現場で、配られた端末が有効活用できるかさえ心もとない。
 ITといえば、全国の高校で、プログラミング必修化が22年度に迫るが、専任教員がいないと大騒ぎになっている。情報科(03年から必修化)に専任教員のいない都道府県が13もあり、「プログラミングを教えない情報科」があふれていたのだ。ちなみに、IMD(国際経営開発研究所)デジタル競争力ランキングでは、2位シンガポール、11位香港、14位韓国などに大きく水をあけられて日本は22位だ。
 英語もITもこれまでの安倍政権のサボリのツケが今、爆発している。
 ちなみに、先日LINEとYahoo!の統合でGAFAを追撃という話があったが、2社の研究費合わせて年間0・1兆円に対し、アマゾン2・5兆円、グーグル1・8兆円、アップル1・3兆円で、話にならない。日本トップのトヨタでも1・1兆円でアマゾンの半分以下だ。日本の未来はやはり暗い。
(日刊ゲンダイ・古賀茂明)
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