松尾篤興のブログ「閑話放題」

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ついに乗った! 新型ホンダe これがHONDAの新兵器に!? 気になる実力と実感


 日本でのデリバリーは今年10月頃? HONDAが繰り出す、小さく、キュートで、走りも楽しい電気自動車、新型ホンダeの実力とは?
 すでにホンダが2020年内の日本発売を公表しているとおり、ホンダeの発売が刻一刻と迫っている。そのフォルムは東京モーターショー2019でお披露目されたが、気になるのはその実力。
 後輪駆動を採用する、全長4m未満のコンパクトEVとあって、さまざまな意味で期待が集まるが、本稿では欧州で行われた試乗会に参加した木村好宏氏が、乗ってわかった率直な印象をいち早くレポート!
文:木村好宏
写真:HONDA、Volkswagen
ベストカー 2020年4月26日号
 ヨーロッパでは、特にドイツメーカーによるBEV(バッテリーEV=純粋な電気自動車を指す)モデルの導入は加速的に早まっている。
 特にプレミアムブランドからはすでに7年前、BMWが送り出したi3に加えて、2019年にはアウディ eTronクワトロ、そしてメルセデスベンツ EQCが相次いで登場した。
 そして、その殿(しんがり)としてフォルクスワーゲンが初の本格的量販モデルID.3を2020夏から発売開始する。
 こうしたジャーマンメーカーが軒並みBEVを揃えている背景には2021年までに約束されたフリート燃費平均95g/kmまで下げられそうもないという事情がある。
 このままでは来年2021年までに西ヨーロッパでビジネスを展開している自動車メーカー、特にドイツ勢は最高で1000億円を軽く超える途方もない金額の罰金を払わなければならないのだ。
 優等生のトヨタでさえも1800万ユーロ(約20億円)も払わなければならないほど厳しいのである。それが前述したドイツメーカーがBEVの販売を急いでいる本当の理由なのだ。


ホンダeはインテリアもユニーク! 気になるスペックは?
 前振りが長くなったが、そんなわけで欧州でのBEV販売を狙って送り出されたホンダeのヨーロピアンドライビングイベントがバレンシアで開催された。
 すでに2019年のフランクフルトモーターショーで量産型が正式デビューしたホンダ初の本格的BEVだが、ちょっとレトロだが愛らしいフォルムはドイツだけでなく世界中の専門家からも称賛の声が上がっていた。
 そして我々の前に登場した市販タイプもコンセプトの基本フォルムを残した好ましいものだった。
 特にインテリアは「よくここまでやった」と思うほど非常に高品質、高機能、そして端正でユニークなデザインが印象的である。
 5つのセクションにわかれて表示される液晶画面は家電のよう。もちろんインフォテイメント、コネクティビティも充実しており、欧州でもまったく問題のないレベルである。


 両側のパナソニック製電子ミラーは標準装備で、ダッシュボード両脇の映像もeTronよりもポジションそしてサイズもピッタリである。実は、このデザインにもこだわりがあって、ボディに溶け込んでいると同時に頑丈で壊れないカタチにもなっている。
 ボディサイズは長さ3895mm、幅1752mm、高さ1512mm、ホイールベースは2530mmで後述するがライバルと目されるミニのBEVバージョン「SE」よりも大きく、トランクは171〜861Lの容量を持っている。
 まあ、通常での容量がミニよりもわずかに小さいのが、シティコミューターと割り切れば、実用性ではほぼ互角といえる。
 搭載されるリチウムイオン電池の容量は35.5kWh、モーターのチューニングは2種類あってアドバンス・グレードで154ps(113kW)、315Nmを発生。0-100km/hは8.3秒、最高速度は145km/h。
 また、ベーシックモデルは136ps(100kW)、315Nmで0-100km/hは9秒、最高速度は145km/hと変わらないが、航続距離は17インチタイヤを装備するアドバンスが210㎞であるのに対して222kmと若干大きい(共にWLTP値)。また充電はDCチャージで最速30分で80%の充電が可能である。
 キャビンはホンダ自らが「ラウンジ風」と表現しているようにシートも含め、ゆったりと落ち着いた雰囲気だが、欧米ではクルマの運転はあくまでもスポーティでアクティブ、ゆえにこのまま受け入れられるかが気になる。


ホンダeのステアリング特性は「驚き」
 新しいリア駆動EVプラットフォームの四隅にレイアウトされたタイヤはすべてマクファーソンストラットによる独立懸架。
 重量配分は50対50。試乗車は17インチのミシュランパイロットスポーツを履く。乗り心地はちょっとコツコツして硬いが、走り出せば快適である。
 驚きはステアリング特性で可変システムにも関わらず、どんな状況でも操舵力やゲインは自然だった。
 また、コーナーを攻め込んでも前輪は踏ん張り、アンダーは出ない。同時に低重心のおかげでロールも少ないので、バケットシートがあったらスポーツカーのようなドライブが可能だ。
 さらに、前輪の切れ角は大きく最小回転半径4.6m。狭い道でも切り返しすることなくUターンが可能だった。
 最後に開発担当の人見康平LPL(チーフ・エンジニア)によれば「フルスペックのラップトップに負けない性能を持ったクレバーなタブレットにしたかった」という。確かに言い得て妙であり、そのこだわりは随所に見られる。
 しかし、そのためにBEVでは滅多に開ける必要のないフロントフッドに2本のダンパーを奢るなど「無駄遣い」も見える。
 問題はライバルの存在だ。ミニSEは同じような方向性を持っているが、最高出力184ps、航続距離270kmとちょっと上手で、ベーシック価格はホンダe(約435万円)よりも55万円も安い。
 果たしてホンダeが欧州でどのような活躍を見せるか、このところ特に欧州ではいいニュースのないホンダの正念場となるだろう。


◆編集部注:ホンダは、ホンダeの2020年内日本発売を明言しており、当サイトでは2020年秋頃と予想しています。
(ベストカーweb)
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