松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

“排除”再来?菅氏スカスカ会見の一部始終…記者の怒号飛ぶ


「フリーランスにも指名してください!出来レースじゃないですか」――。既にテレビの生中継は終わっていたが、1人の記者の怒号から「横浜をカジノ業者に売り渡すんですか」「公文書を改竄しないでください」との声が堰を切ったように飛び交った。2日夕、総裁選の真打ち登場とばかりに出馬会見を開いた菅官房長官。大新聞・テレビが報じないスカスカ会見の一部始終は、多難な前途を象徴している。
「秋田の農家で育った」と会見で繰り返し、“純朴な苦労人おじさん”を前面に打ち出そうとした菅氏だが、やはり地金の冷酷さは隠し切れない。
「逃げないでください」と不満爆発の記者に押し切られるように時間を延長した途端、司会の坂井学衆院議員が指名したのは菅氏の天敵、東京新聞の望月衣塑子記者だった。
「(官房長官会見では)不都合な真実に関する追及が続くと、その記者への質問妨害が長期間にわたって続きました」
 彼女の問いかけに菅氏は視線を合わせず、こわばった表情。司会から「質問は簡潔にお願いします」と邪魔が入るのは、長官会見と同じだ。
「(首相になっても)官僚が作ったような答弁書を読み上げるだけでなく、自身の言葉でしっかりと会見時間を取って答えていただけるのか」
 質問が終わると、菅氏はあざけるように、こう言い放った。
「限られた時間の中で、ルールに基づいて記者会見というのは行っております。ですから、早く結論を質問してくれれば、それだけ時間は浮くのであります」


*小池都知事の「排除」発言をほうふつ
 他の記者からも失笑が漏れたが、この人をさげすんだ対応には既視感がある。3年前に小池都知事が口にした「排除」発言だ。当時の小池氏も、新党代表として一時は総理目前かと思われたが、総選挙直前の「排除します」のひと言で失墜。菅氏の態度は小池氏のたどった道をほうふつさせる。
 ただ、菅氏の肩を持つ気はないが、フリーを「排除」せずに質問を受け付け、むしろ大手メディアの質問回数が少なかったくらいだ。望月記者も「これまでと違って、いろんな記者さんを指されているな」と指摘したほど。会見時間も「30分程度」と事前通告し、終了時間は予定時刻を約15分オーバーしていた。
 それでも菅氏が記者から「逃げた」印象を持たれたのは何を聞かれても、のれんに腕押しだから。アベノミクス、北方領土、拉致、沖縄基地、敵基地攻撃能力など「安倍路線継承」から踏み出さず安全運転。森友問題の再調査も「既に結論が出ている」と従来通りの答えだ。
 あまりの菅カラーゼロに、毎日新聞の記者から「安倍総理の発言を聞いているよう。“菅総理”として目指す政治は安倍政権の単なる延長なのか。違うのであれば、何がどう違うのか」と突っ込まれる始末。ぶ然とした表情で菅氏は「縦割りの弊害をぶち破って新しいモノをつくっていく」と返すのがやっとだった。
「これから“天下人”になって何をしたいのか、さっぱり分かりません。新たな政治テーマを具体的に掲げもせず、何もしゃべっていないに等しい会見でした。何ひとつ志は感じられず、期待が持てないことだけは、ひしひしと感じます」(政治評論家・本澤二郎氏)
 こんなスカスカの菅氏が総理になっていいのか。
(日刊ゲンダイ)
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