松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

“協調”と“共和”の精神が失われ 人類滅亡戦争の幕が開く


 世界情勢がますます不安定になってきている。第2次大戦が終わってから、70年余り。協調と共和の精神で世界秩序を築き、守られてきたが、ここにきて一気に綻び始めた。


 極東で最大の懸念となっているのが、日韓関係だ。元徴用工の賠償を巡る日本企業に対する差し押さえ、日韓合意に基づく慰安婦財団の解散、領海巡視中の自衛隊機に対する韓国海軍によるレーダー照射、韓国国会議長の天皇謝罪要求と文在寅政権には対日関係を安定化させる気配は全く感じられない。南北関係の改善ありきで、行政、司法、立法と三権ぐるみで、日本への強硬姿勢を強めている。一方の日本も安倍首相が率先して対立をあおるから、日韓関係は悪化の一途だ。日ロ関係も、北方領土問題を巡る抗争で、先行き見通しは不安定だ。


 欧州もイギリスはEU離脱を巡り世論が分裂。フランスはマクロン政権への抗議デモが一向に終息する兆しが見えず、ドイツはメルケル首相の退陣が決まった。ひとつにまとまった行政の固まりであるEUが今やバラバラになっていく様子だ。


 中米には移民が大量に押し寄せ、それをトランプ米大統領が強引な非常事態宣言で、力に任せて封じ込める。中東も依然として火薬庫状態で、世界中がどこから、どう破綻を来しても不思議ではない。


■失われた協調と共和


 協調と共和の流れは途切れ、誰がどうやって新しい流れを生み出すかも全く見通しが立たない。IMFなどは死に体で、機能している国際機関はもはや国連のみ。その国連も各国が手前勝手に振る舞う中、どれだけの力を発揮できるかはたかが知れている。このままいけば、人類滅亡の戦争が幕を開けるのではないかと不安に駆られるのだ。


 第2次大戦後に世界を仕切った協調と共和の流れを止めた直接の大きな要因は、トランプ大統領の自国ファースト主義だろう。しかし、欧州や日韓関係の混乱はトランプ大統領とは無関係だ。世界中のそこかしこで紛争と対立が巻き起こる異常事態である。


 世界秩序が失われていく中、日本の安倍首相はトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦するなど、ひたすらこびへつらうだけだ。韓国との関係修復には動かず、北朝鮮に対しても世界の筆頭に立って制裁を科し続けている。2度目の米朝首脳会談で北朝鮮の非核化や、朝鮮戦争の終結への道筋をつけた場合、日本としてどう動くつもりなのか。国民には、その方向性が全く見えない。


 政治の展望が閉じたままでは混迷の時代に突入したとの気持ちは強まるばかり。世界から協調と共和が消え去った今、不安一色の思いは拭えないのである。
(日刊ゲンダイ、高橋乗宣)
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