松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

障害者職員へ責任転嫁…桜名簿破棄の安倍答弁に批判殺到

   


 さすがに批判が殺到している。どうして野党議員が資料要求した当日に、「桜を見る会」の招待者名簿をシュレッダーにかけて廃棄したのか、証拠隠滅ではないか――。国会でそう追及された安倍首相が、よりによって、その責任を障害者に押しつけたからだ。
 2日の参院本会議で、名簿廃棄の経緯を問われた安倍首相はこう答弁した。「大型シュレッダーの予約を4月22日に行い、その際、シュレッダーの空き状況や、担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った結果、使用予定日が(野党議員が資料要求した)5月9日となった」
 要するに、担当者が短時間勤務だったのが理由だ、ということらしい。
 菅官房長官も4日、「担当者が無理なく作業する時間を確保する必要があったという趣旨だ」と説明している。しかし、だったら「短時間勤務職員」だけでいいはずだ。安倍首相は、あえて「障害者雇用」に触れたのだ。
 大新聞、テレビは大きく報じないが、ネット上では大炎上している。
〈障害者のせいにしているように聞こえる〉〈汚れ役は障害者ってことか〉〈こう言っておけば追及しにくいだろうという姑息さが見える〉〈担当者の個人情報を国会で公表するなんて〉〈誰か特定できて、その人が必要のない苦しみを受ける可能性がある〉


■個人情報に敏感なはずなのに
 安倍政権は、マルチ商法業者や反社がズラリ載っているはずの招待者名簿は「個人情報」を口実に、一切、明らかにしようとしないが、わざわざ「障害者雇用」という個人情報を明かした形だ。ネット上には、〈反社をかばって障害者を盾にする〉とのツイートもあった。
 精神科医の香山リカ氏はツイッターで、〈これはひどすぎる。私も主治医として患者さんに(中略)障害者雇用での就職を勧めることがある。ためらう方には、「障害者雇用であることを本人に告げずにオープンにされることはないはずです」と説明する。それがこんな形で破られ落ち度の責任をかぶせられるなんて〉とカンカンだ。
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で重度障害を持つ舩後靖彦参院議員(れいわ新選組)も4日、「担当職員の属性は資料廃棄の根本問題とは関係ない。障害者雇用のために廃棄に時間がかかった理由のように語られるのは不適切であり、非常勤職員の弱い立場を利用したとも受け止められる。残念に思う」とコメントを発表した。
 安倍首相は10月の所信表明演説で、舩後氏を「友人」と紹介。「共に力を合わせていきたい」と障害者に寄り添うようなことを口にしていたはずだ。なのに、障害者に責任転嫁しようとは、どういうつもりなのだ。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「本会議の答弁なので、失言ではなく、明確な責任転嫁の意図があってのものだと思う。誰かのせいにして言い逃れをするのは安倍政権の常套手段ですが、今回は障害者職員の責任にできると思いついたのでしょう。延命のためにはハンディキャップを負った人まで利用するということです」
 どこまで薄汚い政権なのだ。
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