松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

安倍政権の逃げ切りを許せば、日本の民主主義の未来はない

  


 森友問題では、安倍首相が籠池理事長と昵懇であるという前提で、国有財産がほぼ実質ゼロ円で森友学園に売却された。安倍首相夫人の関与は明白なのに、安倍首相は逃げ切った。
 加計問題では、安倍首相の意向ということで、獣医学部の新設が認められた疑惑が浮上。しかし、安倍首相はこれも逃げ切った。
 そして今回の「桜を見る会」問題である。次々に新たな疑惑が出ているにもかかわらず、「また逃げ切りか」との臆測が流れ始めた。彼らの論理は次の通りだ。
①政府・与党は12月9日までの今国会の会期を延長しない、②国会での審議が行われなければ、マスコミはほとんど報道しない、③来年になれば「桜を見る会」問題は過去の問題となる、④安倍政権の支持率低下は数%で収まり、結局、逃げ切る――である。
 考えてみると「桜を見る会」における安倍首相の犯罪性、政治的責任は森友問題や加計問題よりはるかに深刻だ。
 国会は、国権の最高機関である。ここが腐敗したら、国全体が腐敗する。その腐敗を起こさないため、議員の選出に関する法律とその運用はこれまで厳しかった。公職選挙法第199条の2第1項は「公職の候補者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない」と規定している。
 最近では、菅原一秀経産大臣が地元有権者にカニやメロンを配ったり、香典を渡したりしていた証拠を突きつけられ辞任に追い込まれた。
 安倍首相は1回当たり、800人以上の地元の選挙民を「桜を見る会」に招待した。飲食費は1人当たり千数百円に相当するとされているので、100万円以上の「供応」を税金で行ったことになる。
「桜を見る会」の前夜祭は、ホテルニューオータニの最高のレセプションホール「鶴の間」で開かれていた。安倍首相は「安倍事務所が1人当たり5000円を受け取り、そのままホテルに渡した」と説明している。しかし、ホテルニューオータニのパーティープランは「料金(1人):立食プラン1万1000円~」とある。従って、少なくとも、何らかのかたちでこの補填がなされているとみるのが当然だ。これも公選法違反や政治資金規正法違反の疑いが出てくる。
 複数の違法性が指摘されているにもかかわらず、このまま国民が見逃すようであれば、この国の民主主義に未来はない。
(日刊ゲンダイ・孫崎享)
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