松尾篤興のブログ「閑話放題」

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ぬる燗って何度?日本酒のおいしい飲み方&燗酒の基本


日本酒のおいしい飲み方


大人のお酒、お酒好きならではのお酒、というイメージが強かった日本酒ですが、最近では日本酒をメインに取り扱うオシャレなお店も増え、日本酒を好む女性も増えてきています。
ですが、日本酒をおいしく飲んでみたいけれど飲み方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、おいしい日本酒から初心者でもおすすめの日本酒、知っていると通になれる酒器まで・・・日本酒にまつわるあれこれを徹底的に解説いたします。
日本酒の味は温度で変わる
お米と水、麹を主な原料として作られる日本酒。もちろん使用するお米やお水によっても味は変わりますが、飲む際の温度も大きく影響しています。
一概にどの温度が最適かを述べることはできず、どれぐらいの温度をおいしいと感じるかは好みによって様々。また、例えば同じ人肌の温度に温められた日本酒も人によって「人肌燗」や「ぬる燗」など異なります。お店でオーダーする際は、おすすめの飲み方を確認するとよさそうですね。


吟醸酒は冷酒または常温


ひとことで日本酒と言っても「吟醸酒」や「大吟醸」「本醸造酒」など様々。どのお酒に分類されるかは使用原料と精米歩合によって異なります。


▶︎吟醸酒
米、米こうじ、水、醸造アルコールを原料とし、精米度合60%以下のものを言います。香りと色がよいため、それらを損なわない5℃~16℃の「冷や」か「常温」がおいしいとされています。


▶︎純米酒
米、米こうじ、水を原料としこちらも精米度合60%以下。5℃~25℃の「冷や」か「常温」「ぬる燗」がおいしいとされています。


▶︎本醸造酒
米、米こうじ、水、醸造アルコールを原料とし、精米度合70%以下のもののみを言う、日本酒の中でも希少価値が高いものです。5℃~18℃又は24℃~40℃の「冷や」「常温」か「ぬる燗」とおいしいとされる温度の範囲は比較的広めです。


まずは、常温(冷や)で飲む際のポイントをご紹介します。同じ日本酒でも温度によって風味や香りが全く異なります。ご自身に合った温度を探してみてくださいね。
温度
日本酒の「常温」と聞くと、室内にそのまま放置していた際の温度と思う方も多いかもしれませんが、実は15~20℃と決まっています。


冷蔵庫に入れると冷たくなりすぎてしまいますし、室内で放置していたのでは夏場は高く、冬場は低くなってしまいます。とは言え、触った感じや見た目では正確な温度は分からないため、見極めの際はどういった点に気をつければよいのでしょうか。
適温の見極め方
日本酒での「常温」の定義が分かったところで、なかなか温度計を使わずに15~20℃を把握するのは難しいですよね。


見極めのポイントとしては、口に入れた時。あいまいな感覚値ですが、口に入れた時に冷たすぎるほどではないが、ぬるくもない程度という。見た目には、透明な容器に入れた際、ほんのりと水滴がつく程度です。
味わい
日本酒を常温で楽しむ醍醐味は、香りと風味。常温で飲む際、甘味、酸味、苦味のバランスがよくなり、ものによってはまろやかに感じることもあります。


日本酒本来の味わいが最も感じられる温度ということもあり、常温でおいしく感じる日本酒は本物だと思ってよいという方もいます。とはいえ、どのような日本酒をおいしいと思うかは人それぞれですので、常温で飲んだ際の味わいがいまいちだからと言ってその日本酒がよくないというわけではありません。
日向燗・人肌燗・ぬる燗
続いては、日向燗(ひなたかん)・人肌燗(ひとはだかん)・ぬる燗で飲む場合のポイントをご紹介します。人肌燗、ぬる燗はなんとなく聞いたことがあったり、漢字からもイメージしやすいですが、日向燗については初めて聞くという方も多いのでは。ここからは日本酒の知識をどんどん深めていきましょう♩
温度
先ほどご紹介した常温に比べると高めな日向燗・人肌燗・ぬる燗。目安の温度としては、日向燗が30℃、人肌燗が35℃、ぬる燗が40℃。


その名の通り、ポカポカと日差しが照る日の気温から日向燗、人の体温に近い人肌燗など、ネーミングにも風情を感じますね。 
適温の見極め方
日向燗・人肌燗・ぬる燗の見極め方は、常温と比べると意外と見極めがしやすいのです。日向燗なら熱いぬるいなど、温度を感じない程度、人肌燗はその名の通り、触って少し温かい程度、ぬる燗はやけどするほどではないが触れたところがじんわりと温かくなります。


味わい


原料や使用する水により、日本酒そのものが持つ味わいはあります。ですが、一般的に、日本酒は30℃程度の日向燗までであれば甘みが増して飲みやすくなると言われています。そのたため、辛口の日本酒は苦手という方は、日向燗までの温度でいただくことをおすすめします。


雪冷え・花冷え・凉冷え


反対に、冷たくした場合の日本酒はどのように風味や香りが変化していくのでしょうか。雪冷え・花冷え・凉冷えまでを既に知っていれば、もうかなりの日本酒通!いかにも冷たそうな名称ですが、なんだか日本ならではの上品さを感じますね。
温度
上品さを感じるこれらの表現、具体的な温度は「雪冷え」が5℃、「花冷え」が10℃、「凉冷え」が15℃くらい。


雪冷えは口に含んだ瞬間、キリッとした冷たさをかんじますが、花冷えになると少し和らぎます。涼冷えは常温より、ややひんやりしています。
適温の見極め方
こちらも日向燗・人肌燗・ぬる燗同様、温度計を使わないで的確な温度を見極めるのは難しいのですが、ポイントとしては、口に含んだ際にスーッと清涼感があるかどうか。参考にしてみてくださいね。
味わい
全体的に日向燗・人肌燗・ぬる燗と比べると、香りが引き立ち、キリッと引き締まる味わいになります。雪冷えで飲むと、香りが良い日本酒の場合はドライになり、喉を通る時にはすっきりとちょうどよい温度感になります。温度が低い分、甘みや香りの華やかさには欠けるようですが、すっきり爽やかな味わいが楽しめます。
おすすめは上燗
どの温度で日本酒がおいしく感じるかはその人によりますが、燗酒でおすすめなのは45℃程度。この温度が最も香りや風味など全体のバランスが良く、おいしく感じるとされています。では、この温度の目安や自宅で作る際はどうすれば良いのでしょうか。
上手な燗酒の付け方
せっかくの日本酒も、付け方を間違ってしまっては台無しです。おいしくいただく際のポイントとして、徳利に日本酒に入れて少し温めましょう。この時、アルコールがとんでしまわないよう、ラップをするとよいですよ。


沸騰直前の高い温度で2~3分、あまり時間をかけずにサッと温めることをおすすめします。2~3分経ったら徳利を鍋から取り出し、底の部分を触った際にちょっと熱いと感じたらいい温度加減のサインです。
レンジを使った方法
わざわざお鍋で水を沸かすのは面倒・・・・・という方には電子レンジでの加熱をおすすめします。上記鍋を使用した場合と同様、徳利に日本酒を入れてラップをし、500Wの電子レンジで40秒温めます。この時間は1合の場合の目安です。


また、一気に温めてしまうと徳利の上部と下部で温度にムラが出てしまうため、20秒ずつ、2回に分けて温めるのもおすすめです。注いだ時にゆげが出るぐらいがちょうどよい温度加減です。加熱時間はお使いの電子レンジの種類に合わせて調整してくださいね。


※徳利は電子レンジ使用可能なものをお使いください


ちょっと変わった飲み方


ここ近年、ちょっとした日本酒ブーム。蔵元を訪れてお気に入りの日本酒をお好みの温度でいただくのも良いですが、ちょっとアレンジを加えて飲んでみるのもいかがでしょうか。


氷を入れて「ロック」で飲んでみたり、炭酸水で割って爽快感を楽しみ方もいるのだとか。その他にもトマトジュースなどで割ってカクテルにしてみたり、バニラアイスを入れてフロートにしてみたり・・・・・。日本酒そのものを凍らせてシャーベット酒にした「みぞれ酒」なども夏場はおいしそうですね。


その他、レモンやライムなどの柑橘系フルーツを入れてジントニック風にしてみたり果実酒と合わせたり。和のイメージが強い日本酒を洋風にアレンジして楽しむ飲み方もあります。なかには、焼酎と割るというなかなかレベルの高そうな飲み方もありますよ!


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