松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

世界に取り残される安倍政権…歴史の節目「6.12」にご臨終


「加計学園の理事長は総理もいたバーベキュー、ゴルフで見かけましたし、学園関係者には官邸で3回お会いしました。総理には日に5回も10回もお会いしますが、加計の件を報告したことや指示を受けたことは一切、ございません」――。こんなバカげた説得力ゼロ答弁を誰が信じるのか。


 柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致で、ますます「加計ありき」が色濃くなった10日夜。トランプ米大統領が自身のツイッターで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談が6月12日にシンガポールで開かれると明らかにした。


 全世界が注視する米朝トップ同士の史上初めての会談。恐らく世界史にその日付を刻むことになる「6・12」は、史上最悪の無能破廉恥政権が「ご臨終」を迎えた日としても、歴史に記録されることになりそうだ。


 先月の板門店における南北首脳会談以降、北東アジアに広がる融和ムードに置き去りの安倍首相は「蚊帳の外」批判を打ち消すことに躍起だ。


 中韓蔑視外交のツケで宙に浮いていた日中韓首脳会談が今週、2年半ぶりに開かれた際も、情勢急転に取り残されまいと必死。これまで散々敵視してきた両国にすがりつくような格好で、共同宣言の文言に「拉致問題の解決」を差し込むことに血道を上げ、北朝鮮問題に取り組んでいるポーズを示すためだけに中韓両国を振り回した。


 政権に返り咲いてから5年以上、1ミリたりとも拉致問題を進展させてこなかったクセに、いまさら中韓両国に泣きついても後の祭り。これだけ情けない姿をさらけ出しながら、北への強硬姿勢はテコでも曲げない。9日の日中韓、日韓、日中の一連の首脳会談でも、例によって「最大限の圧力をかける」との主張を壊れたレコーダーのように繰り返し、完全に浮きまくっていた。


■世界の嘲笑を買う圧力バカ


「北の非核化を目指し、関係各国が対話に向かう中、安倍首相だけが蚊帳の外から圧力一辺倒で吠えまくる。それでいて拉致解決の成果だけを欲しがるのは、ないものねだりの支離滅裂外交です」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)


 みっともない“圧力バカ”につけるクスリはないが、それでも日朝首脳会談の実現を目指し、拉致解決に淡い期待を抱いているのが、圧力バカのバカたるゆえんだ。


 安倍は10日のトランプとの電話会談でも、米朝首脳会談で「拉致問題を取り上げて」と頼み込む一方で、最近しきりに持ち出すのが、2002年の日朝平壌宣言だ。宣言は「不幸な過去の清算」と「国交正常化後の経済協力」に言及。巨額の戦後補償というニンジンをぶら下げ、金正恩を会談に引きずり出そうとする狙いが透けて見える。


 むろん、こんな卑しい魂胆が成功する兆しは一向に見えず、逆に朝鮮労働党の機関紙・労働新聞には「下心を捨てない限り、1億年経ってもわれわれの神聖な地は踏めないだろう」とコケにされる始末。先日の南北首脳会談で、韓国の文在寅大統領が拉致問題を提起した際、金正恩は「韓国やアメリカなど周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は直接言ってこないのか」と語ったという。


 5年以上も「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と豪語しながら、北との直接のパイプも築けていないとは、今まで安倍は何をしてきたのか。就任1年余りで、北に拘束された米国人3人を奪還したトランプを少しは見習ったらどうだ。


 ポツンと蚊帳の外に置かれたアベ外交をアザ笑っているのは、金正恩だけではあるまい。圧力バカ路線が全世界の嘲笑を買う中、トンチンカン首相は運命の「6・12」を迎えることになる。


■アベ外交が平和と安定に向けた最大の障害


 米朝首脳会談の日程を明かした直後の演説で、トランプは「平和と安定の未来を世界全体にもたらすための会談になる」と抱負を語り、「(金正恩との)関係は良好だ。会談は大成功を収めるだろう」と自信満々。米テレビ各社のインタビューに応じたペンス副大統領によれば、トランプは「金正恩が完全な非核化を受け入れる準備があるとの希望の持てるサインを出している」との認識でいるという。


 実際にトランプと金正恩の関係は今のところ、良好のようだ。北朝鮮国営の朝鮮中央テレビによると、9日に訪朝したポンぺオ米国務長官からトランプのメッセージを伝えられた金正恩は、「大統領が新たな代案を持って、対話を通じた問題解決に深い関心を払い、朝米首脳の会談に積極的な対応を取っていることを高く評価する」と応じた。


 トランプの「新たな代案」をめぐり、韓国聯合ニュースは「北朝鮮が非核化の条件としている敵視政策の撤回や、安全保障上の脅威の除去などに関連した内容の可能性もある」と分析。1カ月後に迫る歴史的会談を控え、北の非核化に向けた米朝両国の条件交渉が水面下で熱を帯びている様子が伝わってくるが、圧力バカ首相は口を開けば「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を達成しない限り、制裁解除はしない」の一点張り。交渉に加えてもらえないのに、この上から目線は何サマのつもりなのか。


 驚くことに6月12日の米朝シンガポール会談には、外交関係者の間で、中国の習近平国家主席が現地入りする可能性が取り沙汰されている。なるほど、金正恩が短期間で習近平との首脳会談を重ねたのも、そのためかと思えてくる。


■この国の正常化には「障害物」の除去が必要


 前出の五野井郁夫氏はこう言った。


「習主席の現地入りが実現すれば、朝鮮戦争の休戦協定署名当事国である米中朝首脳がそろい踏み。トランプ大統領は『何かとてもいいことが起きつつある』『日本、韓国、中国、みんなにとってとても重要なことだ』と訴えていましたが、それは朝鮮戦争の終結を意味する可能性が高い。板門店宣言で南北両首脳が言及した休戦協定の平和協定転換に、米中両国が合意すれば北東アジアの緊張は一気に解け、安全保障環境はガラリと変わる。その場合、最大の障害となるのが、安倍首相の存在です。北の脅威をあおり、中韓を蔑視してきた外交がアダとなり、朝鮮半島の平和と安定に貢献しようにも発言権は皆無に等しい。対話の輪に押し入れば、強硬路線を支持してきたコアな支援者を失うことになる。もはや、アベ外交は八方ふさがりです」


「6・12」は、日本が世界に取り残される日となる一方で、6月20日の国会会期末も近づく。柳瀬氏の参考人招致で「加計ありき」が色濃くなる中、森友疑惑にも新事実が発覚した。財務省側が森友学園側などと面会や交渉をした際の500ページ近い記録が残っていたことが判明し、佐川宣寿・太田充の新旧理財局長コンビが「ない」と強弁した答弁は、またしても大ウソ。記録には昭恵夫人や複数の政治家の名前も記されているという。


 この調子だと、会期末までにモリカケ疑惑をめぐって、驚愕の新事実や証言が次々と飛び出しても、おかしくない。


「今や、モリカケへの関与を全面否定する安倍首相の居直り答弁のつじつま合わせのため、忖度官僚が嘘やデタラメを重ね、国政の停滞を招いています。得意と自称する外交面も国際社会での孤立化を招き、もはや安倍首相の存在は百害あって一利なし。この国を正常化させるには、最大の障害物である安倍首相を取り除くしかありません。米朝首脳会談や国会会期末を待たずに、一刻も早く退陣を表明して欲しいものです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)


 もはや存在理由が何一つない安倍政権は、モリカケ疑惑を認めた上で総懺悔し、退陣表明する以外に道は残されていない。百害首相をいつまでも野放しにしておくわけにはいかないのだ。
(日刊ゲンダイ)
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