松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

遠のく日朝会談…北は安倍首相を“蚊帳の外”“卑しい”と批判


 2004年以来となる日朝首脳会談の実現を模索する安倍首相の足元を見透かすように、北朝鮮がアベ批判を強めている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が週末にかけて立て続けに論評を掲載。ボルテージは上がりっ放しだ。このままでは、会談実現は遠のくばかりだ。


 労働新聞が21日付で掲載したのが、〈蚊帳の外から抜け出そうという術策〉と題した論評だ。米朝首脳会談が行われた12日、来日したマレーシアのマハティール首相やラオスのトンルン首相に対し、安倍首相が対北圧力への協調を求めたと言及。〈蚊帳の外に置かれている者の卑しい物乞い行為だ〉〈不安感に襲われた安倍は、朝鮮半島情勢を悪化させようという不純な策動に東南アジア諸国を引き込もうと愚かに画策している〉と断じる一方、安倍政権が配備を急ぐ「イージス・アショア」もこうヤリ玉に挙げた。


〈日本の防衛相は、ミサイル迎撃システムを拡張すると発表しながら、良い方向に流れている朝鮮半島の雰囲気に冷や水を浴びせている〉


 昨年11月に初来日したトランプ米大統領から「バイ・アメリカン」と迫られ、北朝鮮の脅威を理由に購入を前倒しした陸上配備型のミサイル迎撃システムだ。1基1000億円弱で、搭載に向けて日米で共同開発中の新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」4発と関連装備品は計約150億円。2基で2000億円もする代物である。米朝対話が進む中、配備予定地の秋田と山口からもその必要性を疑問視する声が上がる。そして、安倍政権のやり方をこう総括していた。


〈安倍勢力の総的目標は、日本を戦争国家にすることである。今まで日本は周辺情勢、特に朝鮮半島情勢悪化を口実に、武力増強に拍車をかけ、軍事訓練を頻繁に行ってきた。侵略戦争に出られる準備をほとんど整えた日本に今残っているのは、現行憲法を書き換え、法的名分を作ることだけである。だから、朝鮮半島情勢緩和ではなく、激化を望んでいる〉


 指摘はごもっともで、子細に分析したものである。元韓国国防省北朝鮮情報分析官の高永テツ氏(拓大主任研究員)はこう言う。


「北朝鮮は米国との融和ムードに水を差し、足を引っ張ろうとする安倍政権にイラ立ちを募らせています。金正恩党委員長と本気で向き合う覚悟があるのなら、刺激するような態度は改めろ、というメッセージだと受け取るべきでしょう」


 22日付の〈日本は誠実に過去を清算せよ〉と題した論評も痛烈だった。従軍慰安婦に関する日韓合意を巡り、日本の反対にもかかわらず、少女像が米議会で巡回展示されたことに言及。〈「合意」なるものを前面に掲げて、凶悪非道な性奴隷犯罪が全部清算されたかのように宣伝している〉と非難し、〈過去の罪悪を率直に認めて徹底的に賠償することだけが、日本が生きる道である〉と主張した。


 拉致問題の解決を前面に押し出す安倍政権にまたもクギを刺してきたわけである。


「外交というものは血こそ流さないものの、頭脳を駆使する戦争です。国民感情を考えれば、日本が拉致問題を最重要課題とするのは理解できますが、国際社会が大きく動く局面では、世論の反発を恐れず、本音を隠す外交の知恵を絞った方がいい」(高永テツ氏=前出)


 事態を1ミリも進展させず、“拉致の安倍”で高ようじだったツケが一気に回ってきた。
(日刊ゲンダイ)
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