松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

北方領土問題には触れず 日ロ首脳会談はやはり“中身ゼロ”


「大山鳴動してネズミ一匹」にもならない。一体何のための首脳会談だったのか。22日夜にモスクワのクレムリン(ロシア大統領府)で会談した安倍首相とプーチン大統領。会談後の共同記者発表の内容に注目が集まったものの、焦点の北方4島の領土問題や歴史認識、主権に関する言及はなく、具体的な前進は何もなかった。


「相互に受け入れ可能な解決策を見いだすための共同作業を私と大統領のリーダーシップの下で強く進めていく決意を確認した」(安倍)


「相互が受け入れ可能な解決策を目指したい。そのためにはロシアと日本の多面的、全面的な関係の発展が必要だ」(プーチン)


 共同記者発表では、安倍首相、プーチン大統領ともに過去の会談内容を振り返りつつ、「確認」「一致」を繰り返すばかり。唯一、具体的だった内容といえば、プーチンが「今後数年で日ロの貿易高を1.5倍、300億ドルを目指すことで一致した」という日ロ間の経済協力の話だけで、後はナ~ンの中身もなかった。


 安倍首相は2月にドイツで開かれるミュンヘン安全保障会議に合わせて次の外相会談を行い、「交渉を前進させる」なんて言っていたが、状況が今と何ら変わらない中で、どう「前進」「加速」させるつもりなのか。まるで「ヤルヤル詐欺」だ。


 もっとも、中身ナシの首脳会談になることは予想されていた。安倍首相は7月4日にも公示される参院選を意識し、直前の6月に大阪で開かれるG20(20カ国・地域首脳会議)で来日するプーチンと北方領土問題で大筋合意を演出して選挙を乗り切りたい考え。さらに「戦後外交の総決算に取り組む」と言い、領土問題の解決をレガシー(政治的遺産)にしたいと前のめりだ。プーチンはそんな安倍の薄汚い思惑を知っているからこそ、事前の外相会談で「南クリール諸島(北方領土)に対するロシアの主権を含めて第2次世界大戦の結果を認めろ」などと無理難題を突き付け、交渉のハードルを上げてきたのだ。


「最後の一人までの救出をやりきる」(北朝鮮の拉致問題)、「最後の一人までチェックして正しい年金をきちんとお支払いします」(消えた年金問題)……。


 安倍首相はいつも口先ばかり。国民もいい加減、この男の正体に気付くべきだ。
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