松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

“第2のサンゴ虚報事件”で思い出す安倍首相の朝日新聞批判


 例のホラ吹きが、また大ボラを吹いた。NHKの「日曜討論」(6日放送)で、安倍晋三は名護市辺野古の埋め立てについて「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」と発言。キャスターがその場で真偽を確かめなかったのは、64歳にもなる男がすぐにばれる嘘をつくはずがないという思い込みがあったからか。


 しかし、この発言はすぐに問題になる。沖縄県知事の玉城デニーは「安倍総理…。それは誰からのレクチャーでしょうか。現実はそうなっておりません。だから私たちは問題を提起しているのです」とツイート。


 当初ネット上では「この先安倍はごく一部のサンゴ移植を理由に環境を保全したとゴマカすのではないか」との推測が広がったが、現実はさらにはるか斜め上をいく。


 安倍の発言は根も葉もない大嘘だったのだ。土砂が投入された海域「埋め立て区域2―1」からサンゴは移植されていないし、「砂をさらって絶滅危惧種を別の浜に移した」という説明もデマだった。単に多くのサンゴが生息し、ジュゴンもすむ海草藻場に、問答無用で土砂をぶち込んだだけの話。


「琉球新報」は社説で、「一国の首相が自らフェイク(うそ)の発信者となることは許されない」「埋め立て海域全体で約7万4千群体の移植が必要で、終わっているのは別の区域の9群体のみだ」と批判した。


 いつものことだが、安倍はとっさに嘘をつく。国会で嘘をつくのは常態化しているが、ロシアのプーチンに「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したとか、米軍のF15戦闘機墜落に関し「飛行中止を申し出た」などと、外交の場でも平気な顔で嘘をつく。こうした虚言癖を持つ男を諸外国がどのように観察しているかは想像に難くない。


 今回の件は第2のサンゴ虚報事件である。1989年、朝日新聞社のカメラマンが沖縄のサンゴに「K・Y」と落書きし、その写真をもとに記事を捏造。これが発覚し、朝日新聞社は窮地に追い込まれ、当時の社長が引責辞任した。この件に関し安倍は「なかなか謝らなかった」と朝日新聞社を強く批判していたが、K(空気が)Y(読めない)オオカミ中年に、その言葉をそのままお返ししておく。
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