松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

“引き返せない”は戦前と同じ…デタラメ五輪は中止すべきだ


 フランス検察当局が、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長の訴追(贈賄容疑)に向けて予審手続きを開始した(今月11日)。竹田が理事長を務めていたオリンピック招致委員会は、シンガポールにある「ブラックタイディングス社」代表にコンサルタント料として約2億3000万円を支払っている。その人物が五輪選考委員のラミン・ディアクの息子パパマッサタと深いつながりがあることから、疑惑が浮上した。


 この日、日本ではカルロス・ゴーンが追起訴されており、フランスの報復ではないかとの陰謀論まで飛び出した。竹田の息子のネトウヨタレントは「フランスの民度の低さが見える。マクロンは相当追い込まれている模様」とツイート。意味不明。フランス検察当局が捜査開始を公表したのは2016年5月である。捜査方法が間違っているなら、具体的に指摘すればいいだけの話であり、これはフランス国民に対する侮辱だ。


 ディアクは東京五輪に賛成票を投じたが、日本から振り込まれたカネの一部は息子パパマッサタの宝石代になっている。


 リオ五輪招致を巡っても、パパマッサタにカネが流れていたが、フランス検察当局が今動き出した理由は準備が整ったからだろう。


 疑惑の渦中の竹田は「回ってきた稟議書にハンコを押しただけ」と開き直ったが、そもそも嘘とデマと不正にまみれた東京五輪である。13年9月、招致の最終プレゼンテーションで安倍首相は「(福島第1原発の汚染水は)完全にブロックされている」と国際社会にデマを流した。東京電力はこの発言を否定。実際には高濃度の汚染水が漏れまくりだった。


 新国立競技場の設計は迷走を極め、エンブレムはパクリ騒動でやり直し、予算膨張に関しては組織委員会の森喜朗会長が「最初から計画に無理があった」。しまいに安倍は「共謀罪がないとオリンピックはできない」と言い出した。「東京は世界有数の安全な都市」(安倍)ではなかったのか?


 今からでもデタラメな五輪は中止すべきである。「ここまで来たら引き返せない」というなら、先の大戦と変わらない。日本はすでに日中戦争の影響を理由に1940年の五輪を返上した実績がある。青島幸男ですら都市博をやめられたんだから、やれないことはない。フランス検察当局の執念の捜査が実ったら、使う予定がなくなった金メダルは彼らにあげてはどうか。
(日刊ゲンダイ 適菜収)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「美声を科学する」販売店
◉Mazzuola Editore ダイレクトセール・松尾出版直販(送料無料)
http://mazzola-editore.easy-myshop.jp
◉Amazon
https://www.amazon.co.jp/美声を科学する-松尾篤興/dp/4990812808/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1521368401&sr=8-1&keywords=美声を科学する