松尾篤興のブログ「閑話放題」

今迄にない科学的な整合性から導かれた正しい発声法から、日本の政治まで、言いたい放題の無駄話。

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限界か安倍首相…夏休み強行を海外メディアが酷評

  


「強制的に休ませなければならない」――。“総理側近”の甘利明・自民党税制調査会長が16日の民放番組でこう話すほど体調が悪いのか。週末(15日)から夏休みに入った安倍首相は17日午前、日帰り検診を受診するという目的で、慶応大学病院(東京・新宿区)に入った。
〈2回目の不運 新型コロナによる制限が日本の首相の休暇を狂わせる〉――。こんな見出しを掲げ、安倍首相の“夏休み切望問題”を報じたのは、14日付の英紙ガーディアン電子版だ。夏休み取得に関しては、「このコロナ禍に休んでいる場合なのか」との声が上がっていたこともあって、海外メディアまでが安倍首相の“夏休み強行”を批判的に報じ始めている。時事通信が12日付で〈首相の夏休み、中ぶらりん〉の見出しで報じた中身を、事細かに紹介しているのだ。
 7月の4連休とお盆の直前に、東京都の小池知事が「都外への外出を控えるように」などと会見で強く訴えたことが原因で、地元・山口県への帰省や山梨県内の別荘での静養を諦めざるを得なかった事情を報道。安倍首相周辺の「安倍首相の休暇計画を毎回、小池氏が邪魔する」との声まで報じている。
 さらに、〈休日の予定のキャンセルを余儀なくされた何百万人もの人々が安倍首相に同情するには苦労するかもしれないが、首相も夏休みを見送らざるを得なかった人々のひとりのようだ〉と、安倍首相の非常識ぶりをチクリと刺し、〈彼(安倍)には非難すべき政治的ライバルがいる〉と、小池氏との確執を暗に皮肉っている。
 あまりにも情けない状況だが、安倍首相が国会を開かず、会見もサクッと切り上げて逃亡している様子についても、複数の海外メディアが酷評している。
 ガーディアン紙は、〈安倍首相は広島の戦後75年式典に出席したが、それまで1カ月以上会見せず、報道対応は閣僚任せだった〉と批判。米紙ワシントン・ポストも〈日本には第2波の危機が迫っている可能性がある。安倍首相は行動するのか?〉と挑発的だ。シンガポール紙のザ・ストレーツ・タイムズも〈安倍首相は国会召集や記者会見を行うことに消極的〉と指摘している。
 海外メディアまで安倍首相の夏休みに注目し、半ば批判的に伝えているのは、これまでほとんど仕事をせず、ずっと“休暇状態”だったからだ。
 まず、野党が会期の延長を要求したのに、通常国会を予定通りに閉会。週1回の閉会中審査にも出席しない。憲法53条に基づいて、野党が臨時国会の開会を要求しても無視。記者会見も開かない。さすがに海外メディアも、それでも「休みたい」は通じないのではないかとみているのだろう。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。 


■「敵前逃亡」とまで酷評されている
「英国では、ジョンソン首相がBBCの単独インタビューに応じていましたし、各国首脳もキチンと報道対応しています。感染が急拡大している日本で首相が表でメッセージを出さないことに、海外メディアはクビをかしげているのです。マクロン仏大統領が『ウイルスとの戦争』と発言する中、今の安倍首相の態度を『敵前逃亡』と酷評する海外メディアもある。非常に恥ずかしいことだと思います」
 無理にでも休ませないといけないほど、「体力の限界」というのなら、潔く身を引くべきだ。
(日刊ゲンダイ)
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